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「マチネの終わりに」とステファニー・アルゲリッチ(水戸芸術館にて)

「マチネの終わりに」とステファニー・アルゲリッチ(水戸芸術館にて)

水戸芸術館に訪れた際に、立派なパイプオルガンがあるエントランスホールに入ると、無料の写真展が開催されていました。ホールの脇の壁、一面だけに、日常の風景や人物の小さな写真パネルが、飾られた小規模な写真展です。

何気なくさらっと見ただけだったのですが、ちょっと気になったので、引き返して、作者の小さなプロフィールを読みました。

「ステファニー・アルゲリッチ」ヨーロッパを拠点に写真家、映像作家、プロデューサーとして活躍する女性だと書いてあります。まったく聞き覚えのない名前ですが、プロフィールを最後まで読み進めると、お母さんは、アルゼンチンの有名なピアニスト、マルタ・アルゲリッチさんだとわかりました。

現代のクラシック界では、とても有名な方らしいのですが、残念ながら私にはクラシックの知識が無くて、詳しく存じ上げません。

この写真展自体も、水戸の管弦楽団の定期演奏会の客演に、マルタ・アルゲリッチさんが招かれたことにあわせた企画展らしいこともわかりました。その演奏会の最後には、小澤征爾さんも指揮をされたそうですから、ずいぶん立派な定期演奏会です・・・。

ずっと写真が気になっていたので、館内のミュージアムショップで、写真集や関連書籍がないか尋ねてみましたが、目星の本は、どうやらないようです。帰宅してから、「ステファニー・アルゲリッチ」をネットで調べてみると、やはりありません。

数少ない検索結果の中に、数年前に対談したらしい平野啓一郎さんとのインタビュー記事を見つけました。

その記事を読んでみると、どうやら、二人は古くからの友人らしい。以前に平野啓一郎さんがパリに留学していた際には、彼女が「若い日本人小説家のパリ生活」という内容の短編映像を撮影したような間柄でもあるようです。

最近読んだ、平野啓一郎さんの小説「マチネの終わりに」には、クラシックギタリストや海外の通信社のジャーナリスト、世界的な映画監督が登場します。もしかしたら、本の設定や登場人物のモデルとして、ステファニーやマルタの存在が頭に浮かんでいたのかも・・・、とちょっとした考えが浮かびました。そうだったら、とてもうれしいなぁ〜。わたしの勝手な妄想はどんどん広がっていきます・・・。

マルタ・アルゲリッチを描いたドキュメンタリー「私こそ、音楽!」は、娘のステファニー・アルゲリッチが撮影した映画です。マルタの情熱的で気分屋な性格や、3人の男性との間にもうけた3人の娘との様子、ピアノ(音楽)と彼女の関係性や距離感など、プライベートな私生活の部分が、娘の視点から描かれているそうで、こちらも見てみたくなりました。