『奈良原一高のスペイン 約束の旅』を世田谷美術館で見る

『奈良原一高のスペイン 約束の旅』を世田谷美術館で見る

久しぶりに世田谷美術館に行ってきました。奈良原一高さんの写真展を見るためです。葉のすっかり落ちてしまったケヤキの枝が空に放射状に伸びて、わずかな自然の変化も感じ取ることのできる高精度のアンテナのようです。世田谷美術館は、空からの受信を遮らないように、高さを低く抑えられたかと、感じるようなちょうどいいボリュームの屋根群のリズムです。

写真家の奈良原一高さんのことは、あまり知りませんでしたが、昨年末に国立近代美術館で見た『窓展』で、とても印象に残ったのが、奈良原一高さんの写真でした。そこで、展示されていたのは、北海道・当別のトラピスト男子修道院を取材した「沈黙の園」と和歌山市の婦人刑務所を舞台とした「壁の中」という、それぞれ外部と隔絶された二つの空間を舞台とした写真でした。

『奈良原一高のスペイン 約束の旅』展は、題名通り、1962年から65年までのヨーロッパに滞在に、主にスペインで撮られたモノ。

自分的には、『窓展』で見た「王国」や「人間の土地」のほうが、より好きだなぁ〜というのがよくわかった。

奈良原さんは、1931年福岡県生まれ。検事であった父親の転勤に伴い、国内各地で青春期を過ごされたそうですが、松江高校を卒業されているようで、ちょっと親近感が沸きました。そういえば、日曜美術館「写真家・奈良原一高~魂の故郷を探し求めて~」の回では、島根県立美術館学芸員の方がゲスト解説されていたので、何か関係性があるのかもしれません。