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【不定形(三角形)の敷地のリズミックな暮らし】飯能市の木造新築住宅

この木造新築住宅の建設地は、埼玉県飯能市の区画整理地内。周りでは路地の入り組んだ古い集落の中に新しくできた計画道路に面して、新築の住宅がポツポツと出来始めています。敷地は南側道路に長く接している三角形の不定形の土地です。

一番最初にゾーニングで考えるのは、有機的なリビングと庭空間がどの位置がいいかということ。それには、必須条件になる駐車スペース2台分の配置を同時に考えながら計画を進めていく必要があります。敷地の突端に駐車場をうまく配置することで、プライバシーを確保するための塀や植樹計画なども総合的に検討しながらプランが進んでいきました。建物の外観は、敷地の三角形に沿った小気味良い屋根の連続性が軽やかな印象を与えてくれます。

駐車スペースと住居部分を分離

無機的な駐車スペースは敷地全体をカバーするコンクリート塀の外に配置して、住居部分と切り離して、有機的な暮らしの演出を図ります。無機質になりがちな駐車スペースにも、ハナミズキの中木を一本植えることにしました。庭から見た場合には、その木立が空間の広がりを感じさせてくれます。

エントランスポーチの正面は、大きく空に向かって開いた開口になっていて、デッキテラスをくり抜いて中央に植えたヒメシャラが涼しげです。隣地の風景や視線を遮るために少し高めのコンクリートの塀のライトグレーが背景の余白として緑を綺麗に映し出します。

エントランスポーチはリビング前面から伸びるデッキテラスと一体のデッキ材

メンテナンスや汚れの少ない庭の作り方

デッキテラスに導かれて、南の庭に出ると、デッキ材とコンクリートの土間、芝生の緑、白砕石のコントラスト。室内に泥や埃を待ち込まないことや雑草などの庭の管理を軽減するための工夫です。

コンクリート打ち放しの塀の天端(上部)溝は、雨だれ汚れ防止のミニ樋の役目。雨の日は、小さな溝を雨がせっせと流れていきます。コンクリート打ち放しの塀で周辺と分離することで、庭空間の有機性がより際立ちますし、空間自体も広い印象になります。建物の深い軒下の一部には、ラワン材の縦羽目板を張って、より有機性を演出。

お客さんのアルファベットを玄関ドアに

入り江のポーチに面した玄関で、他に窓がありませんので、大きくガラスのスリットを取っています。太めの縦桟の中央に△と○の穴を開けて(もちろんガラスはちゃんと入っています。)、その間にSとNのプレートを取り付けると、施主の苗字[ASANO]さんのロゴ完成!取っ手は、皮が剥がれにくいエゴの枝を使用。玄関内の下足入れの扉には姿見が埋め込んであります・・・。

玄関内部から木製玄関ドアを見る。光で○と△のスリットがより感じられます。

大黒柱のあるリビング

リビングの開口部(fix)から庭を見る。庭と道路を分離しているコンクリート塀が適度に視線を遮って、落ち着きとすっきりとした印象を与えてくれます。

ワークススペースのあるリビング

リビングの一角にあるワークスペース。ご夫婦、2人とも家で仕事ができるように、本棚付きのフリーアクセス、2人用の造り付けデスクスペースです。

ワークスペースの脇には薪ストーブスペース。背中を温めながら仕事に集中。

薪ストーブは土間空間に

薪ストーブエリアは小さな土間空間になっています。サイドに開けた小さな扉は庭につづいていて、外の薪棚からダイレクトに薪を搬入することが可能です。タイルの床が汚れても、箒で外に掃き出すだけでOKです。

2階の書斎は、杉板張り。岬のようなバルコニーへと続いています。

中古枕木とデッキ材で作成した薪棚。薪ストーブのすぐ脇に設置してあります。

完成から12年後のこの家の様子はこちら↓
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掲載誌 チルチンびと/2009 MARCH 53号 特集 「集い、くつろぐこたつのすすめ」
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