埼玉県飯能市の古民家リノベーションは一級建築士事務所/KOMAGURAWESTへ

生まれ育った平屋へ、― 終の住処を実家に求めて

飯能市を流れる名栗川に沿って、山あいへと続く街道沿いに、その住宅は建っています。

外部は木製の建具、断熱材の入っていない、昔ながらのつくり。玄関を入ると右手には、畳の間が田の字に連なる、この地方でよく見かける間取りが広がっています。築70年以上は経っているであろうこの家は、古民家と呼んでも差し支えないかもしれません。

今は空き家となっているこの住宅は、数年前まではご主人のご両親が暮らしていた実家です。ご主人ご自身も、この家で生まれ育ちました。

現在は、同じ敷地内にご自身が40年前にハウスメーカーで建てた2階建ての家に住んでいらっしゃいますが、これからの終の住処として選んだのは、生まれ育った平屋の母屋でした。同世代の奥様と二人で暮らしていくために、耐震性・断熱性・防犯性を現代の水準まで引き上げるリノベーションを行うことになりました。

上座の和室は仏間として残しながら、歳を重ねても暮らしやすいように、なるべく段差の少ない空間を目指しました。床は畳から杉無垢材のフローリングへ。長年悩まされてきた隙間風や寒さを防ぐため、その下にはもちろん断熱材を施しています。壁や天井にも、可能な限り断熱材を入れましたが、建物全体で一様に性能を上げるというよりは、部屋ごとに性能を高めてブロックをつくっていくような考え方に近いかもしれません。

対面キッチンのあるリビングダイニングを中心に、和室、寝室、水回りがゆるやかに繋がっていきます。リビングに新たな開口部を設けたことで、これまで障子に遮られていた庭の景色がよく見えるようになりました。

手入れの行き届いた和庭園の先には山々が連なり、その借景の美しさも相まって、生まれ育ったこの環境の良さをあらためて実感させてくれます。

蛇行する名栗川に沿った街道沿いの家だからか、中に入ると方角の感覚が少し曖昧になります。けれどリビングから景色を眺めていると、太陽が落とす影から、この家が真南を向いて建てられていたことに気づかされました。昔の人の、土地の読み方の確かさを、あらためて感じる瞬間です。

建築設計事務所 KOMAGURAWESTでは、新築の木造住宅はもちろん、オフィスや古民家、中古住宅のリフォーム、リノベーション、現況調査や耐震補強などのご相談もお受けしています。今、お住まいの住宅で、気になっている部分、ご不明な点や疑問点などあれば、電話やメールなどでお気軽にご相談下さい。

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