「家づくり」とは、住まう人が幸せになるために、未来の暮らしをつくること。
私たちが考える「建築設計」とは、デザイン的に洗練された、ただ見栄えの良い建物をつくることではありません。デザインするのは、その先にひろがる、新たな暮らしや人生であって、建築そのものではないと考えているからです。住まう方がご自分らしい幸せのカタチを叶えるために、未来の暮らしをデザインしていった結果、その風景や空間を美しく、愛おしく、心地良く感じるのではないか。つまり“自分の人生っていいな”とか“毎日の暮らしが楽しくなったな”と思っていただけることが、家づくりのゴールと考えています。また「家づくり」は、視覚だけで判断できる単純なものではなく、実際に五感で体感するものです。あなたの好きなことや、寛げる時間。イメージする未来だとか、ちょっと迷っていることなど。一見、家づくりとは関係ないこともシェアしながら、あなたらしい家づくりの物語を、共に紡いでいけたらと思っています。
ライフスタイルからルーティンワークまで。すべてが家づくりの要素になる
住まう人にとっての“いい暮らしや風景”をつくるためには「ご自身にとって何が大事なのか?」「将来的にどういう生活が理想なのか?」「今、困っていることは何か?」そういった生活の要素をすくい上げていく必要があります。それは料理や洗濯、掃除などのこまごまとした作業から、なりたい自分や家族像なども含めた「理想の暮らし」までを想像し、未来のイメージを整理していく作業です。ライフスタイルといった概念的なことを尊重しつつ、日常に溢れる雑多なことも大切に。このバランスこそが、家づくりのポイントとなります。そうやって暮らしを掘り下げて、はじめて設計の計画が可能になります。ですから「家づくり」とは、決して部屋の間取りをあれこれ考えることではなく、未来の「暮らし」を考えていくことなのです。
そして、その“しあわせな暮らし”の風景は、魅力的な街の要素にもなります。つまり“家づくり”とは、大きな意味での“街づくり”なのだと考えています。KOMAGURAが設計する小さな住まいや空間デザインの力が、そのまわりの世界とゆるやかに繋がり、相互作用を繰り返していく。誰もが自分らしく、気持ち良く生きられる、多様な街づくりへと繋げていけたらと願っています。