住宅雑誌の意見広告
崖を下ると家が途切れ、浅瀬を渡るとレンゲの原っぱと畑が段々になり、畦道がくねりながら丘を登っていった。清水が滲み出る赤い砂利場を掘ると沢ガニがよく捕れたっけ・・・。ボクはずっと同じ場所に住んでいて、町内の皆さんもそうだから、子供の頃、優しくしてくれたおじさんやおばさんも、まだ、健在だったし、お嫁に行ったお姉さんや、一家を構えて出て行ったお兄さんたちも、たまに帰ってくると、塀越しに顔を覗かせてくれた。
人は誰でもふるさとがあって、それが風景だったり、味覚だったり、幼友達との思い出だったりするが、その糸をたぐっていくと、いつのまにか、ひとつ屋根の下で暮らす家族や、我が家の佇まいにたどりついていく。
日本全国津々浦々、さまざさま暮らしを掘り起こして、家というカタチにしてきたけれど、まだまだ、ふるさとの素は無限だ。家族愛、子供大好き、春夏秋冬。ペットにスポーツ、食べる、飲む。学ぶ、働く、朝昼晩。行事、作法に道理、道楽。空や星や夕焼けだって・・・。自分サイズで創るふるさとって、どんなだろう・・・。
その豊潤な世界を巡ってみよう。きっと、素材や性能だけで終わらない、より悠々とした住まいのカタチが見えてくるだろう・・・。