西武新宿線 花小金井駅を東に10分ほど歩いた閑静な住宅街のなかに、その敷地はあります。ご夫婦とお子さまの4人家族。子どもたちがのびのびと遊び、暮らすための新築木造住宅の計画です。敷地面積は約114㎡で建蔽率は40%という限られたスペースを最大限に生かすために、2階にリビングを設けるなど、さまざまなアイディアをこらし、ご主人の夢だった薪ストーブも設置することになりました。いつも明るく楽しいことが大好きなご家族の、新しい暮らしのはじまりです。
2階リビング&薪ストーブ&ロフト・子育てファミリーの楽しい暮らし〜東京花小金井の新築木造住宅〜
西武新宿線 花小金井駅を東に10分ほど歩いた閑静な住宅街のなかに、その敷地はあります。ご夫婦とお子さまの4人家族。子どもたちがのびのびと遊び、暮らすための新築木造住宅の計画です。敷地面積は約114㎡で建蔽率は40%という限られたスペースを最大限に生かすために、2階にリビングを設けるなど、さまざまなアイディアをこらし、ご主人の夢だった薪ストーブも設置することになりました。いつも明るく楽しいことが大好きなご家族の、新しい暮らしのはじまりです。
施主であるTさんは、公務員。これまでは、ご家族4人で都心にある官舎に暮らしていました。その官舎を出ることをきっかけに、周辺の環境も穏やかで、子育てや通勤にも最適な花小金井に35坪の土地をご購入。限られたスペースのなかでも、楽しく遊び心に満ちた家にしたいという思いがあり、そんなお話を伺いながら、ひとつひとつ計画に反映させていきました。
もっとも大切にしたいコンセプトは「家は子どものためにつくる」。子育てを中心に考えた、のびのびとした暮らしの未来を、いっしょに考えていきました。
限られたスペースのなかで住宅を設計する際のポイントは、どんな要素を盛り込んでいくかを明確にしていくことです。建て主であるお客さまも土地の大きさを理解しているため、家に求める優先順位が明確になっている場合が多く、打ち合わせもスムーズに進みます。今回の施主であるTさん夫婦の思いは「家族が集まって楽しく過ごせること」でした。そこで各個室は最低限の面積、トイレも1カ所に絞りました。面白いこと、楽しいこと、新しいことにトライする好奇心に満ちたご家族でしたので、こちらも積極的なアイディアをご提案する楽しさを教えていただきました。
家づくりをとことん楽しもう。そんなTさんファミリーのポジティブな姿勢が、少しずつかたちになっていきます。
余計なものは作らない引き算の方式で、空間の使い方を考えていきましたが、こだわりたいところはしっかりと残していきます。たとえばリビングなど、家族がいつも集まるスペースは、無垢材をふんだんに使って、心地良い空間に仕上げて行きます。作り付けのダイニングテーブルは、タモ無垢材のオイル仕上げ。ナチュラルで淡い色が特徴で、使うほどに味わいが出てきます。ルイスポールセンの照明器具PH5との相性も良く、シンプルであたたかいリビング空間が叶いました。
作り付けの円形ダイニングテーブルを囲んで、食事をしたり、子どもたちは勉強したり。東側がキッチンとダイニングで、西側は小上がりの座敷。障子戸がある和の佇まいにしました。ごろりと横になって、傍らの薪ストーブの火を眺めて寛ぐこともできます。天井を見上げると、太い梁。のぼった先には秘密の小屋のようなロフトがある、遊び心に満ちた空間になっています。
リビングの真ん中にある柱は、ロフトに登れるハシゴにもなります。子どもたちはにぎやかに、上ったり降りたり。家の中全部が、自由な遊び場です。無垢の材に触れ、リビングでおしゃべりをし、ハシゴを行き来して、体を動かす。ご夫婦2人が願う、子どもたちがワクワクできるような暮らしが、さまざまなアイディアとなっていきました。ロフトは、お子さんのお友だちにも大人気のスペースになっているそうです。親とほどよい距離で、友達同士のコミュニケーションを深めるのにも最適な場所かもしれません。
リビングの南側には大きなバルコニーのウッドデッキがあり、リビングの一部にVの字に切り込みを入れる形で、4.5畳の広さを確保しています。この見晴らしのいい「外のリビング」には、建設足場用のタラップを生かした外階段がついています。庭からも上れて、家全体を回遊できる仕掛けです。
『あちらこちらに、いろいろある、玉手箱かおもちゃ箱のような家』は、延べ床面積約90㎡という数字以上の広さを感じる工夫に満ちています。新居には薪ストーブを取り付けました。ご主人は、CO²を新たに排出せず環境への負荷が少ない薪ストーブを希望していましたが、奥さまは住宅が密接する地域での煙や火事、小さなお子さんへの安全性を懸念していました。独楽蔵KOMAGURAでは、アトリエで長年ストーブを使っている経験もあり、煙突の位置による煙の配慮や、安全性、導入例など説明し、おふたりが納得してから設置を進めました。
新居での暮らしがスタートしてから、もとも多趣味なご主人に“薪割り”という新しい趣味が加わったそうです。「家族で近くの公園に散歩がてら、焚き付け用の小枝を探したり、楽しいですね」
「都心の官舎では、夏場はエアコンなしでは暮らせませんでした。それが、風が抜け、空や庭木の緑がみえる新居に越してからは、ほとんど使っていない」と奥さま。庭先には小さな畑をつくり、外壁にキュウリやゴーヤの緑のカーテンを育てて、デッキで寛ぐ。旅行に行くことが減り、我が家での日々を満喫する日々は、これからも続いていきます。
ヒノキの上小(じょうこ:少しだけ節が入っている板のことです)無垢板、漆喰の壁に杉板の壁、畳など、杉とヒノキの無垢材で出来たチルチンびと仕様の家です
この住宅には室内の階段以外に、2階のリビングに上がるためのタラップがあります。タラップは庭から登れるようになっていて、2階のバルコニーに繋がっています。薪ストーブの薪や灰など、室内を通らずに運ぶことができます。大きなバルコニーでアウトドアの空間も楽しむことができますし、タラップで庭との関係性も、近くなります。家の中と外とを自由に回遊できる工夫です。