応接室へのアプローチ(廊下)
アプローチの演出は、相手の五感に働きかけて・・・
美味しい食事の前に、食前酒や前菜があったり、名曲には記憶に残るイントロがあるように、いい空間を創るためにも、そのアプローチの演出が大事になってきます。いい空間は単独では存在しません。いい茶室にも、いい露地(庭)があります。それは、普段の空間や時間の領域から変化したり、境界を越える際の合図、一呼吸になります。サッカーの長谷部選手ではないですが、「心を整える」ための、少し改まった時間や空間です。
今回の現場は、オフィスの応接室の改修工事。エレベーターから降りて、全体の色調や明るさを抑えられたアプローチを抜けると、明るい応接室に・・・。アプローチの毛足の長いタイルカーペットで、床を柔らかく仕上げて踏みしめた際の感覚を変えます。いつもと違う空間の領域に入ったことを足の裏からも感じさせます。、一転して、床と壁の境の巾木は、アルミの金属仕上げ。床と対照的な堅くて、鈍い光沢を空間のメリハリに・・・。また、アプローチ専用のエアコンを設けて、室温を適度に保ち、外部の空間と肌感覚でも違いを出していきます・・・。