行ってみて、写真にも建物にもビックリ!『塩谷定好写真記念館』(鳥取県東伯郡琴浦町赤崎)

行ってみて、写真や建物、暮らしにもビックリ!『塩谷定好写真記念館』(鳥取県東伯郡琴浦町赤崎)

同窓会ために帰省した際に、以前から見てみたかった
海岸に面した自然発生的な二万余基の墓地「花見潟墓地」(西日本で最大級)に行くことにしました。

墓地のある琴浦町赤碕を以前から何度かグーグルマップで下見していたのですが、
そのときに現れる、近所の『塩谷定好写真記念館』という施設。
全く予備知識はありませんでしたが、ここも地図を見たときから、
やっぱり気になっていたので、一緒に訪れることにしました。

塩谷 定好さん(1899 – 1988)は、 日本の芸術写真の分野で草分け的存在として活躍した写真家で、
生まれ育った故郷で活動し、生涯にわたって山陰地方の自然を撮り続けたそうです。
(今回、お伺いして初めて知りました・・・)

運良く施設をNPOで管理されている塩谷晋さん(お孫さん)に、
定好さんのこと、建物のこと、赤崎(町)のこと、民俗学的なことなど、
いろいろとお話をお聞きすることができて、とても勉強になりました。

ギャラリースペースに飾ってある定好さんの写真を見ると、
どことなく植田正治さんも、見ていて影響をうけていたのでは?という気がしてきました。

その点もお伺いすると、
やはり、植田正治さんも「塩谷さんといえば、私たちにとって、それは神様に近い存在であった」
という言葉を残されていると教えていただくことができ、納得しました。

やはり、才能は突然変異的に脈絡なく現れるモノではなくて、
バックボーンとして周りの風土や環境、先人などが影響するモノなのだと改めて感じました。

記念館の建物は、元々家業だった廻船問屋だったそうで、
6年前に写真記念館にリノベーションされたそうです。
建物は木造2階建て、定好さんの写真が飾ってあるギャラリースペースと、
当時の写真スタジオ(2F)、当時の住居、接客スペース、喫茶スペースなどがありました。

米倉と1階部分を改造した喫茶スペースは、
ご近所さんやNPOのスタッフの方たちのコミュニケーションの場所として
有効に機能していそうな暖かい雰囲気でした。
各部屋には季節の花々が生けられていて、地域の丁寧な暮らしも随所に感じることができます。

この写真館は、写真作品はもちろんですが、
建物の造り、蔵や庭、人々の暮らしなど含めて見応えがあります。

近くにお寄りの際は、ぜひぜひ!