【やりすぎない上品さ:遠山記念館(埼玉県川島町)】建築家の目線

【やりすぎない上品さ:遠山記念館(埼玉県川島町)】

約半年間、定期的に続いているヘリテージマネージャー
(地域に眠る歴史的文化遺産の発見、保存、活用、まちづくりに活かす能力を持った人材)講習も今日で10回目。

残すところあと数回になりました。

今日は歴史的建造物を数件、見学する講座でしたが、川島町の「遠山記念館」にも立ち寄りました。

「遠山記念館」は日興證券の創立者:遠山元一が、幼い頃に手放した川島町の生家を再興し、
母の住まいのために建てた家ですが、接客のための迎賓館としても使われていました。

わたしも何度か訪れたことがあるのですが、今回の訪問はたぶん10年ぶりくらい。

学芸員の方に各種銘木や収まり、建物についてなどのお話をお伺いしながら、
質問したり、ゆっくりと見るのは初めての経験でした。

遠山家は元々この地方の豪農なので、建物の各所に農家としての趣が現れていることや、
意匠的に建物全体に「やりすぎない上品さ」で統一されているというお話が印象的でした・・・。

もちろん、お金に糸目をつけずに高級な材料を使っていますし、手間を惜しんでもいないという前提ですが・・・・。

また、川島町は荒川の流域なので、あまり地盤がよくない場合が多いのですが、
「この建物の基礎の部分がどうなっているのか?」お伺いしたところ、
昭和初期の建物なので、コンクリートの基礎でしっかりとつくってあるということでした・・・。

【遠山記念館のかみさま・ほとけさま・ユンハンスの時計】

遠山元一さんは、若い頃にキリスト教に改宗したそうですが・・・、
立て直したこの建物の中心には、ちゃんと大きな神棚や仏間もありますし、
敷地の東側にはお稲荷さんも建てられています・・・・。お母様やご先祖さま、風土のことなども、しっかりとお考えになって、
創られたのだろうという感じが伝わってきます。

18畳の民家風居間の西側の壁に神棚があるのですが、
同じ部屋の北側の壁には当時からの柱時計がかかっていたそうです・・・。

よくみるとドイツのユンハンス社の時計でした。
ユンハンスの柱時計は、大きくて装飾性の強い時計(値段も高い)も多いのですが、
ここにあったのは、シンプルで小ぶりなタイプのモノ。

私の好みのタイプです。
やはり時計も「やりすぎない上品さ」を感じます・・・。

ちなみに、写真のさらに小さなもう一つの時計は、我が家のユンハンスです。