シティホールいわさき(セレモニーホール) 埼玉県入間市 イラストコンセプト案
計画の経緯について
施主は、以前から長い間この地で営業を続けてきた地元密着型の老舗のセレモニーホールであり、事業拡大、既存建物の老朽化、敷地の区画整理などさまざまな理由から、本計画に至った。本計画を進めていく中で、常に考慮の前提となり、計画の中心となった考えは、遺族や会葬者と故人の最後の別れが心穏やかに、安らかな気持ちで行われるためには、式場はいかにあるべきかということである。
立地条件・周辺環境・平面計画の考え方について
計画地は、交通量の多い市街地の主要道路に面し、周囲は店舗やテナントビルなどに囲まれた典型的なロードサイドの風景の中にある。敷地は、3面が道路に面しているという好条件のため広い正面性を得ることができるが、前面主要道路の間口がそれほど大きくはなかった。不特定多数の会葬者が来場するセレモニーホールとしての外観デザインにおいて、平面的に建物のボリュームを大きく見せる工夫が必要となった。
その結果、近隣の建築及び空地の状況から、新しい建物には南方に開く対角線上の構えとなった。対角にすることによって、135°の迎えの陣の構えで会葬者を迎える形態が可能になり、さまざまな方角からのアプローチを確保することができた。

『シティホールいわさき』前面道路からの外観
計画地は、建物の高さが10m以下に規制された地域のため、計画に当たっては上下2層に配置される式場の天井高の確保や、建物の外観が会葬者に対してランドマークになりえるように配慮してデザインした。

『シティホールいわさき』鳥瞰 平面配置レイアウトイメージ
そのアプローチは、人も車も正面の主要道路は導入路として使用せず、あえて植樹スペースとして残し、その両脇の道路を使用して、道路、植樹スペースを含めたロータリー状の使用方法を試みた。
式場のインフォメーションの機能も兼ね備えた前面道路部分の植樹スペースとエントランスポーチ両脇の水盤を配置した植樹ゾーンは、四季の変化によって、建物の佇まいをフォローする。
この前面道路から少し奥まった建物の形態によって必然的に確保したオープンスペースは、人溜まりと駐車スペースのさりげない分離を可能とし、前記の植樹スペースによる建物、会葬者の見え隠れの効果は、葬儀の心理的な落ち着きや静寂を演出する。
また、近隣住民、近隣建築に対しての配慮を感じさせる。

ガーデンデザイン イメージ
大きな木立に囲まれたセレモニーホールで、葬儀の心理的な落ち着きや静寂を演出する。

エントランスポーチ
大きな庇で、雨に濡れずに車寄せ

1階エントランスホールから、1階の小式場、2階の階段(大式場)に振り分け

エントランスホールから外部を眺める

2階ホール・ホワイエ

2階ホールから式場の眺め
2階部分に大式場を配置することによって、限られた天井高を小屋裏空間を使いながら、有効に使用することとした。

側道外観イメージ


バックヤード導線
セレモニーホールの場合、会葬者、従業員、僧侶、遺族、業者など、それぞれ異なる導線が必要になります。

遺族控え室パース

僧侶控え室イメージ

スタッフ休憩室