川越のMONO MOON CAFE (完成から21年経過)

川越のMono moon cafe (OPENから21年)

蔵造りの街並みで有名な小江戸、川越の一番街商店街の通りと並行して走る旧川越街道は、歴史のある道の姿を印象付けるように、通りの所々にクランクがあります。その道沿いの市の中心部、松江町に「MONO MOON CAFE 」はあります。1階部分がカフェスペース、2階部分が住居の木造新築の併用住宅です。建物が完成してから、すでに21年が経過しています。近くまで出かけたので、久しぶりにカフェに立ち寄ってみました。

① 店内は時代も時間も止まったような雰囲気の空間

小さな窓から少しだけ外の光を感じますが、ダークブランに統一された室内は、全体的に明るさを抑えてあって、テーブルやカウンターに落ちるアンティークランプの電球色の灯りが頼りです。訪れたのは昼過ぎですが、今が昼なのか、夜なのか、いつの時代なのか?わからなくなるような佇まいです。完成した20年前から、時間が止まったままのような気さえしてきます。

② カウンターはあえて栗の丸太をブツ切りにして断面を見せる

よく磨かれたカウンターは、経年変化によって黒光りしています。カウンターの材料は、太い栗材。事務所に保管してあった材料を製材して使いました。一枚のカウンターにせずに、あえてブツ切りにして分割し、年輪や木目、断面を見せることで、材料の存在感を引き立たせました。

栗材の存在感に負けないように、中古の枕木もカウンターの造作に組み込んで、対比させています。以前の国産枕木は栗材が使用されていましたので、もしかしたら同じような樹種かもしれません・・・。

栗材の存在感のあるカウンター。カウンターはあえて分割。

③ 内装は、ワンバイフォ材の縦張り:ステイン仕上げでラフに

内装の壁は、ワンバイフォ材。突きつけの縦張りですので、下地に構造用合板9mmを張ってあります。印字が残ったままの板材に、そのままステインでダークブラウンに塗装してあります。天井は同じく、構造用合板にステイン仕上げです。

アンティーク家具とアンティークランプのテーブル席。カフェラテ(ホット)とバニラのアイス(食後)

カウンターからキッチンスペースを見る

④ エントランスポーチや独立柱には、枕木の中古材を使用

エントランスのポーチは、中古の枕木を雛壇状に敷き詰めてあります。21年前、私もずいぶん若かったので、事務所の同年代の若いスタッフと一緒に枕木を並べました。密度が高く、とてもいい状態の枕木だったので、チェンソーで切ったり、運んだりするのに苦労したことをよく覚えています。

オーナーさんのメンテナンスも行き届いているので、当時よりもより黒光していい状態を保っているように見えます。200mm角の断面の長い枕木を使用して、建築の独立柱に使用しています。外壁のR部分は珪藻土の左官塗り。

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