埼玉県狭山市の木造2階建て(新築)のショップデザインは一級建築士事務所/独楽蔵へ

西武新宿線 狭山市駅 駅前 【木造新築2階建ての商業用テナント 『祇園スクエア』】

西武新宿線の狭山市駅は、駅舎や駅前の再開発によって様変わりしました。駅の東口は、以前から小さな飲食店や店舗が建ち並んでいましたが、大きな計画道路を含む再開発によってこれからも風景が変わっていきそうな雰囲気です。計画地は駅前のロータリーから歩いて3分。区画整理によって、短冊状の土地に整備されましたが、古くから狭山市駅を使用する乗降客が多く、行き来する路地の一角です。

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狭山市駅前の通行量の多い生活道路沿い

敷地は狭山市駅から徒歩3分。隣地に大きな自転車の駐輪場があり、駅を利用する方が敷地の前を頻繁に行き来する立地です。その歩く人々の目に留まったり、ふらっと入りやすい形状を考えながら計画を進めました。

道路との高低差を解決

敷地は道路から700mm程度上がった高低差のある敷地。商業的な使用を目的とするテナントビルにとっては段差がデメリットになります。しかし、周りの敷地との関係性や残土の処分に予算がかかるため、グランドラインは高低差の中間の350mmに設定して、ステップを2段使ったアプローチで計画しました。

収益性の観点からテナントの数は4箇所

中央の屋外階段から上下左右に、約10坪のテナントが4軒並びます。建物の収益性の観点から、テナントの数、家賃や面積を検討しながら計画を進めます。

建物の中央を貫く外階段

テナントごとに道路からの視認性に差が出ないように、どのテナントも正面の道路に向かって、均等に並ぶように配置しています。建物の中央を貫く外階段が外観のポイントです。2階のテナントは階段を登った先から、左右に10坪程度のテントを2つに振り分け。1階部分は階段後ろで繋がっていますので、10坪ごとの2つのテナントとして貸し出すことも可能ですし、20坪の1つのテナントとして、貸し出すことも可能です。

敷地の中で自然環境(緑)をつくる

人工物に囲まれた駅近の商業地の中では、自前で環境を整備することが重要です。建物の前面には小さいながらも有機的な緑のスペースを確保します。

非日常的なアプローチ

木造のテナントビル

コストや可変性を考えて、建物の構造は木造にしました。木造の場合は防音性の問題がありますが、1,2階の音の伝播を軽減するために2階の床には厚さ70mmの軽量気泡コンクリート製パネル(ALCパネル:床テック)を敷き込んであります。子供が飛び跳ねるときの「ドスンバタン」という大きく重く響く音(重量床衝撃音)や話し声やオーディオ製品等の空気伝搬音に対する遮音に効果的です。

2階の天井は屋根の形状に合わせて舟形天井

2階の天井を屋根のカタチにあわせて、高くしてもいいように、化粧の太鼓梁を採用

250mmの上げ床仕様で配管設備が自由自在

カフェ、美容室など、配管設備の必要な店舗の入居を想定して、250mmの上げ床仕様です。上げ床にすることで、木造特有の音の問題を軽減しています。