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民家の蘇生 宇佐長州新町の家(大分県)

民家の蘇生 宇佐長州新町の家(大分県)

旧海産物問屋の建物をリノベーション

九州は大分の宇佐、その長洲(ながす)の街は、漁業で栄え、少し前までは海から上げたばかりの物を売り歩く、おばさんたちのリアカーが行き来していた。街の中は海の集落特有のクネクネとした不規則に細い道が絡み合い、そこに覆い被さるような古い瓦の家々が並んでいた。

だから、角地の家ではどこも出隅に大きな石を置いて、運送屋さんのトラックや、祭りの山車に隅瓦を飛ばされないようにしたりしている。こうした街に、昔、海産物問屋を商っていた本題の建物がある。道に沿った不定型な敷地に、2階建ての母屋と離れの平屋の構成である。母屋は商いの建物であったから、当然、道路にムキ出しであるが、離れは塀を巡らせた中庭に面し、”奥”の風情を持っている。この「ムキ出し」と「奥」という対照的な要素が今回の住まうための蘇生に、また役立つこととなった。(1986年竣工)

四つ辻にめんした土間など、昔は店であった部分は、今でも外からの入りやすさを失ってはいないし、内側にとっても機能として便利で、昔ながらの開放的な生活環境を維持していくのに好都合だ。また、密集地にあって日照通風が充分で居住性もよい。プライバシーが必要なダイニングやキッチンは、道路側に新しく衝立を配置した。

改造前のこの家にないものが玄関でした。通常は土間がその役目を果たすが、奥を生かすとなると家中を縦断する羽目になる。そこで、生活ゾーンの「母屋」と客空間である「離れ」との間に、”渡り”として設けた。そして玄関廻りのもう一つの意図は、その前面スペースと奥の中庭を視線として開放することで、狭い路地空間に膨らみをもたせたことです。