埼玉県入間市の新築木造 平屋建て デザイン

武蔵野の雑木林の中につくった入間市の木造新築(ロフト付き平屋)

埼玉県入間市にある映画「となりのトトロ」に登場する里山のモデルの1つだった狭山丘陵は、今もなお武蔵野の里山の風景が残っています。ゆるやかな丘と谷が織りなす四季折々の里山の美しい景色のなかに、多くの動植物が息づいています。今回の住宅の計画地は、入間市宮寺の雑木林が隣接する市街化調整地域。狭山丘陵の縁に位置します。武蔵野風景を残す雑木林一部を造成して、武蔵野の風景に囲まれたご夫婦のための住宅を計画していきます。

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南に向かって広がるオープンな平面形

南側の庭や雑木林に向かって、手を広げたように大きな開口部を配置した平面計画、大きな三角屋根が印象的な外観のデザインです。南側から住宅を見ると、外部に仕上げに木材をたくさん使った住宅のようなイメージに感じるかもしれませんが、杉板(南京下見張り)を使用しているのは、南側の軒下部分だけ。平屋ですので脚立で簡単にメンテナンスできる部分のみです。耐久性とメンテナンスの簡易さを考えたデザインです。

樋はメンテナンスを考えて最小限に

敷地の西側は背の高い針葉樹が隣接しているため、落ち葉が屋根や樋に落ちることを考慮して、南側の軒先には樋を付けていません。屋根を大きな片流れにしたのも、耐久性やメンテナンスを考えてのことです。屋根から雨水が落ちる部分は、土が跳ねて外壁が汚れますので、地面に砂利を敷き込んで雨のハネを防いでいます。

庭の植栽は自然まかせ?

庭の部分はテラスのためのコンクリート土間を桟橋のように南に伸ばしています。それ以外の部分は、現在、黒土のままですが、雑木を伐採、抜根して整地した場所なので、特に植樹を行わなくても、2、3年経過すると、エゴやイロハモミジ、ソロ、ヤマボウシなどの雑木が自然に芽吹いてくるのではないかと考えています。

玄関ポーチは大きな軒下空間

道路に面した東側は屋根の軒を長くして、大きな軒下空間をつくっています。西側の雑木林と反対側の玄関部分の屋根には樋を設けています。

施主の名字を玄関ドアのデザインに

お客さまの名前は「岸」さん。漢字の「岸」を木製玄関ドアのデザインに。玄関木製ドアについては、こちらもご参照ください。

リビングは梁を出して高い天井を

木造平屋建ての利点の一つは、屋根の形状に合わせて天井を高く出来ることです。リビングは大きな三角形の屋根に合わせて、勾配天井にしてあります。リビングは米松の大きな梁がそのまま表しになった有機的な大空間です。

その屋根を支えるための大きな梁も表しにして、力強い木造の構造体をリビングのデザインに取り入れました。

木製ガラス引き戸で機密性を確保

リビングの南側、4つの大きな開口部は全て木製建具で製作してあります。アルミサッシに比べて、木製建具は機密性が弱いので、機密性を確保するために中央の幅1500mmの二つの開口部はFIX(動かないガラス建具)にしています。外側の幅1200mmの2つの木製建具は引き戸になっていて、開け放つことが可能です。もちろん、「杉板:南京下見張り」の戸袋に網戸も収納してあります。

キッチンのカウンターは杉板の目透かし張り。絵を飾ったり、モノを張ったりできる活用できる壁です。数年すると飴色に日焼けする杉板は経年変化を楽しむことのできる自然素材です。

設置する薪ストーブは壁から45°傾けて、リビングの中心を向いた方向性に。人が火の回りに集まることのできる工夫です。薪ストーブの右脇は床の黒い玄昌石を伸ばして、薪置き場として使えるスペースをつくってあります。

3角形のコーナーは造り付けのデスク&飾り棚スペース

リビング頂上部の隠れ部屋:ロフト

大きな三角屋根が登っていた先の棟部分にはロフトがあります。ロフトへはリビングに備え付けのハシゴから上り下り。木製の引き戸によって、リビングと一体化や分離が可能です。

後でDIYがしやすいようにロフトの内壁は、9mmの構造用合板張りにしています。

玄関ドアいろいろ:【入間市の木造新築住宅】「岸」さんちの木製玄関扉を製作

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