青梅市、山に抱かれた小さな集落に建つ、築50年の木造平屋。
昭和40年代の趣を残しながらも、使われている木材や、意匠・仕上げのひとつひとつに、丁寧な手仕事の跡が見える住宅でした。
山間の古民家を、キッチン兼ラボへ|lalafarm table(青梅市)
青梅市、山に抱かれた小さな集落に建つ、築50年の木造平屋。
昭和40年代の趣を残しながらも、使われている木材や、意匠・仕上げのひとつひとつに、丁寧な手仕事の跡が見える住宅でした。
玄関を開けると右手に客間、左手には広縁とつながる二間続きの和室。昔ながらの、典型的な和風の間取りです。ホールをまっすぐ進んだ先には、台所(お勝手)。
かつての日本家屋は、表の「晴れの間」をお客様のための空間とし、家族が過ごす場所は、日当たりの少ない奥のスペースに静かに収められていました。
今回は、その台所を大きく改修し、lalafarm table(@lalafarmtable)さんのキッチン兼ラボ兼ワークショップとして、新しい場所に生まれ変わらせるプロジェクトです。
lalafarm tableの奥薗さんは、青梅市の自然豊かな土地で、生物の多様性や生態系に寄り添いながら、有機農法で四季折々のハーブや野菜、草花を育てています。
改修前の既存の台所
改修前の玄関・玄関ホール

天井を解体して表しに
長く滞在していたドイツや北欧の空間と、故郷・鹿児島の原風景。奥薗さんの中には、その両方のイメージが重なっていました。
計画の核となったのは、玄関から靴のまま入っていける土間のような空間であること。そして、敷地の裏庭が見える、木製の大きな窓を設けたいという彼女のご希望でした。
改修では、部屋の骨格を残しつつ、古いキッチンセットや床、アルミサッシ、天井を一度すべて解体。裏庭を見渡す横長の窓は、元のアルミサッシを取り除いた開口をそのまま活かし、木製のFIX窓に置き換えています。床を土間にした分、目線の高さはわずかに変わりましたが、開口部の大きさと裏庭の緑を優先しました。
ガラスは、湿気のこもりやすいキッチンの結露対策と、北側の断熱性を考慮してペアガラスを採用。天井は断熱性と空間の空気感を最後まで検討した上で、既存の天井材を取り払い、小屋裏と梁をそのまま見せる仕上げを選びました。壁は古い繊維壁、新しい合板部分、既存の柱、収納や飾り棚も含めて、すべて淡いグレーのペンキで統一しています。
空間装飾の仕事をされてきたことや、食や素材への向き合い方など、奥薗さん自身の感性が、この空間の方向性にも表れています。一見シンプルで無機質な空間が、却って食材の有機性や素材感、この土地の風土や季節をより感じさせる背景になればと考えました。

かつて家族がひっそりと過ごしていた奥の間は、これから植物のいのちを感じながら、多くの人が集まる賑やかな場所になっていきます。ハーブや季節の野菜がここに並ぶ日を、楽しみにしています。

和風テイストの強い飾り棚も、塗装することでリニューアル
玄関の四枚引き分け戸は、元々ブロンズ色ですが、昭和の時代感が強いため、桟をダークグレーで塗装して、再利用しました。
建築設計事務所 KOMAGURAWESTでは、新築の木造住宅はもちろん、オフィスや古民家、中古住宅のリフォーム、リノベーション、現況調査や耐震補強などのご相談もお受けしています。今、お住まいの住宅で、気になっている部分、ご不明な点や疑問点などあれば、電話やメールなどでお気軽にご相談下さい。
建築設計事務所 KOMAGURAWEST 担当:長崎まで
04-2964-1296 komagura@komagura.jp
独楽蔵 建築設計事務所 ホームページ top
ブログ top