埼玉県入間市の新築住宅/リノベーションは建築設計事務所/独楽蔵へ

暮らしも遊びも仕事も〜家族4人のLIVEなリビング〜「築30年 鉄骨3階建てのリノベーション」

『築30年 重量鉄骨3階建てオフィス併用住宅』の3階部分、これまでオフィスとして使われていたスペースを住居として使用するためのリノベーション計画でした。ご夫婦と2人の小学生のお子さまがいる4人家族。それぞれに好きなものや、こだわりがきちんとある、自由で遊び心のあるファミリーでした。

リノベーション完了後から、約6ヶ月が経過し、その後の暮らしを伺います。新居は、以前の家から連れてきた雑貨や書籍、新しくセレクトしたこだわりの調度に囲まれていました。センスの光る賑やかさの中に、シンプルな統一感もあり、完成時のイメージより、空間が広く感じます。

作り付けの大きなダイニングテーブルは、家族が集う、新しい居場所。

自宅でデザインやイラストの仕事をされているグラフィックデザイナーの奥さま。リビング奥の長辺方向の壁のコーナー部分を上手に使い、デスクスペースにされていました。リビングで仕事の打ち合わせをされることも多いそうで、その際は作り付けのダイニングテーブルも活用されるとのこと。アイディアのヒントを探る書籍をすぐに取り出せたり。ひと息つきたい時に好きなお茶を入れたり。独立した仕事部屋ではなく、あえてリビングのなかにオフィス空間を作ることが、柔軟性のある働き方に繋がっていくようです。

食卓としてはもちろんのこと、家族それぞれが自由に、作り付けのダイニングテーブルを活用されているようです。小学生のお姉ちゃんのお気に入りは、ダイニングテーブルの天板が伸びて、L型の壁に囲まれた省スペース。奥行き300mm程度のカウンターですが、少し隠れるのが居心地が良いのか、ここでよく勉強をされているそうです。ご友人や子供たちの友達がたくさん遊びに来られたときも、大きなテーブルが活躍します。テーブルにモバイルプロジェクターを置いて、映画の観賞会も行われたそうです。

本棚には、さまざまなジャンルの本がきれいにディスプレーされています。家族4人の好奇心が入り交じる、楽しい空間。本棚が空間を分ける間仕切りの役割も果たしています。

リビングとキッチンをダイニングテーブルで緩やかに分離

奥さんの最初のご希望は対面キッチンでしたが、数パターンの平面レイアウトを経て、最終的にこのプランに決定しました。対面キッチンだと限られたリビングのスペースがかなり小さくなってしまうので、作り付けのダイニングテーブルで空間のゾーン分けを行うプランを提案しました。このテーブルは、使用用途によって、リビングやキッチンの両側から使えることが利点で、さまざまな使用用途を折り重なるように重複させています。

テーブルの半分は食器棚スペースになっていて、調理器具やゴミ箱など見せたくないものを隠すことができます。その食器棚の反対側は、飾り棚と子供たちがよく使う小デスクスペースです。

清潔感のある白いボーダータイルのキッチン。お気に入りのカトラリーたちもよく馴染み、楽しげなスペースになっています。

本棚や収納など、楽しい機能性を備えた廊下。

玄関とリビングを繋ぐ通路(廊下)。壁の両側に機能を持たせことで、コンパクトな空間も、便利で快適な空間に。並んだ書籍をめぐって、家族や来客とのコミュニケーションもひろがります。

広くなったバルコニーと、プライバシーを守る大きな開口部

元々、真っ直ぐだった外壁を取り除いて、バルコニーを奥行きのある台形型にしました。幅1500mmの引き違いの開口部は、壁を長く確保できる斜めのラインに配置。左右に2箇所配置することができますし、直接、室内を覗くことができなくなるのでプライバシーも確保できます。

壁紙にファブリック。個室はそれぞれの好みで、印象を変えて〜子ども部屋と寝室〜

玄関からまっすぐ廊下を進んだ先のご夫婦の寝室は、比較的窓が小さく落ち着いた部屋。その印象をより強調するように、壁全体が、常緑樹の葉のように深い「エバーグリーン」でまとめてあります。

中央の廊下を挟んで、並ぶ子供部屋は、その両側に大きな開口部のある明るい部屋。お姉ちゃんは好きな色の「オーシャンブルー」と白、おとうとくんは「マラカイト(孔雀石)グリーン」と白のヴィヴィッドな部屋。家族それぞれの好みもいろいろで、実に楽しげです。

間取り図 before&after