【バスケットボールのできる家】川越の家づくり
自分が生まれ育った住み慣れた街で子育てを
良源を祀り川越大師の別名で知られる喜多院(きたいん)は、埼玉県川越市にある天台宗の歴史ある寺院です。その喜多院のほど近く、川越市小仙波町は、古くからある歴史を感じさせる雰囲気の残る町です。小さい頃から、この町で育ったご主人は、この近辺で土地を探されていました。ご主人の職場は都内ですし、探そうと思えば職場の近くで暮らす選択肢もありましたが、この住み慣れた街で子育てをしながら、暮らしていきたいと考えていたからです。

ガレージ(車のない状態)
普段空いているガレージを使って、親子が好きなバスケットボールを・・・
打ち合わせ当初、家づくりに関して、特別なご要望はありませんでしたが、「車のガレージがほしい」とのお話はありました。車のガレージの使い方について、話を詳しくお伺いしていると、都内への通勤はその車を使用するということがわかりました。つまり、ご主人が仕事に出かけている間はガレージは「空っぽ」だということ。そして、時間的には、その「空っぽ」の状態が長いこと・・・。
独楽蔵のアトリエのホールで、そういった「家づくり」の打ち合わせは、独楽蔵のアトリエのホールで行っています。打ち合わせには、ご夫婦と当時、小学生(男の子)と幼稚園(男の子)のお子さん、家族4人でいらっしゃっていました。お子さんたちは、いつもバスケットボールを持ってきて、アトリエの裏庭にあるバスケットゴールで遊んでいました。「バスケ好きなんですか?」とお聞きすると、お兄ちゃんは小学校で、ミニバスケットをやっているとのこと。また、お父さんも昔は、バスケをしていたということも、わかりました。
打ち合わせでは一気に「じゃぁ、せっかくだから、新しい家は、家族でバスケットできるようにしましょうか」という話の流れになり、普段空いているガレージの空間を兼用して使えないかと真剣に検討が始まりました。
「家づくり」は、いつもこのような会話が重要で、雑談の中から新しい家の骨格が見つかって行くことも多いです。

ガレージ正面(シャッターを開けた状態)

お兄ちゃん(小学生)フリースローの練習中!
バスケットのコートに合わせてガレージの寸法を調整
ガレージの天井は、通常より高めの4mに設定。縦横の大きさも、フリースローのラインの大きさに合わせて、ちょっと広めです。書庫のシャッターを閉めたままの状態で、フリースローの練習が出来ます。バスケットリングは、お兄ちゃん(小学生)に合わせて、現在はミニバスの高さに調整中。普段使いの通用口とも連携しています。
ガレージ側面からも大型木製引き戸でアクセス。ここを開けると外部の駐車スペース、玄関ポーチと空間を一体化することが可能です。

ガレージはフリースローの寸法
右:物入れの扉。正面(グリーン):物入れの扉。左:引き戸は外部への出入り口

内部ガレージ&外部カーポート&玄関の関係性
敷地は北側で道路に接しているために、こちら側の外観は生活感のないスッキリとした収まりが可能となる。全体的に防備のイメージが強いので、植栽で、堅い印象を和らげる。駐車スペースは、室内部分も入れて、3台分確保。

ガレージからの出入り口(引き戸)
引き戸の外側は、奥行き1500mmの軒下スペースになっているので、引き戸を開けて一体化されたり、普段使いの自転車の駐輪スペースとして活用。脇には家の勝手口があり、家人の普段の出入り口として使用している。ですから、ポストもこの位置に。
ガレージは普段使いの通用口の役割も果たしています。

玄関ポーチ(主に来客用)
普段使いの玄関は、ガレージとの間にある。コチラは主に来客用だ。普段は使わないのでキレイに保っておくことが可能だ。

玄関内部
ガラスのない重厚な玄関ドアからは、採光が採れないので、脇のスリット窓から採光を確保

簡単な打ち合わせをするためのミニテーブル
小さなスツールを置いておけば、来客用のお茶もここで可能。

キッチン・薪ストーブ廻り




機能性を考えた床材の張り分け
床は杉の無垢材(幅150mm)と堅木:床暖房対応(チーク)の無垢フローリング



キッチンカウンターを利用したガラスの飾り棚
モザイクタイルのキッチンカウンターを利用してつくったガラスの飾り棚。上部には照明を埋め込み、ライトアップできる。

キッチンの堅木(チーク)の無垢フローリング部分は床暖房使用


薪ストーブ廻り
薪ストーブの廻りの壁と床は、玄昌石を使用。
【場所別】機能によるフローリングの張り分け
場所や機能によってフローリングの張り分けをした例です。リビングは、普段一番いる場所ですし、お子さんもまだ小さいので柔らかさや温かさなど足の裏の触覚を重視して、杉の無垢材をチョイス。国産材、幅広150mmの無節(節のない材料)の無塗装品です。床の施工が終わった後に、ワックス仕上げをして、無垢材の風合いを残しています。
スリッパなど履かずに素足で使う想定です。杉は柔らかい材料なのでキズがつきやすいのですが、キズなど気にせず、めいいっぱい踏みしめてほしいです。
キッチン部分は、機能重視!汚れや耐久性が気になりますし、台所仕事のために、床暖房を設置したいので、ダークブラウンのオークの無垢材(塗装品:床暖房対応)です。すでに工場で、頑丈な塗装膜を作った塗装品です。色も濃くて汚れも目立ちにくいですし、寒いと台所に立ちたくなくなりますしね・・・。


杉板(白染め)とスチールバー(白)のボーダー掲示板
杉板部分には押しピンで、スチールバーには磁石で、作品やペーパー、写真などを飾ることができる掲示壁



庭側(南側)外観

庭スペース

写真奥の平屋は、室内物干しスペースと勝手口、納戸スペース。この構造物によって、隣地からの視線を遮り、庭ゾーンのプライバシーをUPさせる効果が生まれる。リビングの大開口部からの出入り、勝手口からの出入りは、デッキテラスの島によってつながりを持たせている。
キッチンサイドから庭に続く勝手口。洗濯の物干し竿の受け金物も製作。

その後の暮らし:【ガレージでバスケットボール】(竣工後6ヶ月)
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その後の暮らし:【モザイクタイルとデコレーションスペースのあるキッチンカウンター】 (竣工6ヶ月後)
住宅ポータルサイト homify 特集記事『自宅で有意義に過ごすアイデアは?』 2020/05/01
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