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【家族の距離感から考える、こども部屋の配置計画】子育て世代の家づくり

親と子どもの一番いい距離感は

家の中において、物理的に家族それぞれの距離感について考えてみると、親の立場からは、いつでも、こどもの気配の感じられたりや見守りができる距離が安心です。こどもたちといえば、小さな頃は親と一緒にリビングで過ごしたり、同じ寝室で川の字になって寝ることが多いでしょうか・・・。年齢や性別、子供たちそれぞれの成長の速度によって異なると思いますが、ある程度の年齢になると、大人に干渉されない「ここは、こどもだけの世界」と感じられる空間を求めている気がしますし、そういう場所があることが子供たちの安心にも繋がってくるような気がします。この異なる2つの要素が重なる距離、独立感がそのご家族にとって、一番ちょうどいい距離ではないかと思うのです。

千葉県匝瑳市に建つこの住宅は両親と子供たちの4人家族。玄関に入ると正面には丸太がただ一つ。床はその左右に分かれていて、右は、家族のスペースで、左はこどものゾーンになっています。それぞれのスペースの行き来には、「飛び石」ならぬ「飛び丸太」で渡っていきます。そこには、ぴょんと飛び越えられて、靴履かなくても渡れる、ほんの数十センチの隙間があるだけ・・・。それでも、互いの空間には、見た目にも、心理的にも、不思議な距離感が生まれます。距離は近くても、「あっちとこっちの感覚」、「渡りの感覚」、「境界の感覚」、表現の仕方はいろいろありますが、床が離れていることに、やはり意味があるんです。

家族間の距離感について考えてみると、親の立場からは、いつでも、こどもの気配の感じられたりや見守りができる距離が安心ですし、こどもたちは、(年齢によって変化してくると思いますが)「ここは、こどもだけの世界」と感じられる空間を求めている気がします。この異なる2つの要素が重なる距離、それが、一番ちょうどいい距離ではないかと思うのです。

母屋と離れのプレパブ子ども部屋は憧れだった。

思い起こせば、私の学生時代、庭の片隅に建てたプレハブの離れを子供部屋にしていた友達は、みんなの憧れでしたし、やっぱり仲間の溜まり場になっていました。まぁ、それでは、ちょっと母屋とは離れすぎなのですが・・・、「飛び丸太」の子供部屋は、こどもの感覚的にはそういう距離が近いような気がします。

ちょっと心配なお父さん

そういえば、この家の平面計画をしていた際のお父さんの心配事は・・・。子供部屋が割と独立しているので、将来、こどもたちが大きくなったときに(高校生くらいになったときに)、勝手に夜遊びしたり、悪い友達の溜まり場にならないか・・・ということでした・・・。ご主人のお話をよく伺ってみると、「何故って、ご自分が若い頃、そうだったから・・・。」ということでした(笑)。

そんなこの家も、完成してからずいぶん時間が経ちました。今年いただいた年賀状には、「こどもたちが、大学、高校のダブル受験で大変です。」といった言葉が添えられていました・・・。その後の子供部屋がどうだったか、子育ての先輩としてのお話を伺ってみたいです・・・。

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