民家の改造 2007

家づくり 民家の改造 2007(埼玉県飯能市名栗)

かつては囲炉裏があった飯能市名栗に建つ、築150年の古民家。改修で薪ストーブとして火が戻ってきた。家を暖めるのみならず、火はその周りに人を集める。玄関・リビング・キッチン・茶の間・寝室などを新しく、使い勝手を考えてリニューアルを行いました。(埼玉県飯能市 Y邸)

 

鈍く光る大黒柱や梁、至るところに長年の記憶が刻まれた築約150年の家

西武池袋線 飯能駅から、名栗川沿いの道を車約30分。飯能市名栗地区は、林業の町です。かつて、名栗川(入間川)上流の村々では、山から切り出した木材を筏に組んで、川を使って木材を江戸に流送していました。江戸の街づくりや度重なる大火の復興のために、多くの材木が筏で運ばれていたそうです。その材木は「西川材」と呼ばれていました。

西川材とは、埼玉県飯能市、入間郡毛呂山、越生町から産出される杉、ヒノキの総称です。江戸時代から昭和初期まで、高麗川や越辺川、入間川、荒川、新河岸川及び隅田川を経て、東京新木場まで、流送されていた木材のことで、江戸より西の川周辺で生産されていたことから「西川材」と呼ばれました。

鈍く光る大黒柱や梁、至るところに長年の記憶が刻まれた築約150年のこの家も、代々、林業や養蚕を営んできた家系で、今でも自分たちで食べる分の野菜は畑で作っている。

飯能市の山里に根づき、先祖代々暮らしてきた愛着のある家。だが、不便に感じることもあった。水回りは傷み、冬の夜には、布団を目深にかぶるほど寒さがこたえた。「夏を旨とする、そんな家なので冬は本当に寒くて。けれど、ここまで古いと壊すのはもったいない」。家族の思いを受けたのは、隣の入間市の設計事務所:独楽蔵(こまぐら)だ。

山村の静かで豊かな暮らし 飯能市名栗 (民家の改造10年目)

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掲載誌 チルチンびと/2009 JANUARY 52号 特集 「家族のまんなか火のある暮らし」

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