埼玉県さいたま市東浦和の新築木造住宅デザイン

【『見沼田んぼ』の借景】 木造新築住宅 2階リビングの暮らし

さいたま市のJR武蔵野線、東浦和駅から徒歩数分、閑静な住宅街の一角にある国分邸。敷地の東側には、首都圏では一番広い緑地保全地区「見沼たんぼ」が広がっています。すぐ目の前の見沼代用水沿いの遊歩道は桜並木で、有名な花見のスポットです。数年前から地元で土地探しをしていたご夫妻は、この立地条件を見た瞬間から「ここで友だちを呼んで花見をしながらバーベキューをしたり、酒をたのしんだりしたら楽しいに違いない」と即、購入を決断。

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設計は以前から知り合いであった設計事務所 独楽蔵(こまぐら)に依頼することにしました。ご主人は以前から、実際に設計した家を見ていて、風や草花を積極的に取り入れたアウトドアっぽい感覚がいいなぁと思っていたそうです。

景観を最大限に生かす

平面計画は、やはりこの景観の特徴を最大限に生かすことに。敷地の東側以外は周囲に隣家が迫っています。プライバシーを確保するため、また通風・採光を図るために、LDKは2階に上げ、個室群はすべて1階にしました。建具を開け放つと、2階は、ほぼワンルーム。限られた敷地条件の中でも広々と生活するための工夫です。東側の「見沼田んぼ」、「桜並木」に面したデッキバルコニーは、リビングと連続性のある空間に仕上げてあります。

その後の暮らし:この家の21年後の様子はこちら→

外壁の耐久性をあげる工夫

バルコニー部分の外壁、杉板南京下見張りの部分は、上部の笠木を大きめにして、なるべく雨が杉板にかからないような収まりにしています。これだけで、板の耐久性がずいぶん違います。

天井の高く開放的な2階リビング

この住宅の場合、2階リビングの利点は「見沼田んぼ」の借景の恩恵を受けるために、視点が高く見晴らしがいいことが大きいです。また、2階リビングにすることで、屋根のカタチに合わせて天井を高く、開放的な空間をつくることができます。存在感のある小屋梁をあらわしにして、力図よい空間を演出できるのも大きな利点の一つです。

2階リビングは一体空間。リビングにいる人との視線の高さをあわせるために、250mm段差をつけて「上がり座敷」とした和室も、間仕切りを開放するとLDKとひとつながり。

2階円形デッキの目の前に広がる緑と桜並木を満喫

バルコニーの手すりは高さを変えて、隣地からの視線を防ぎながら、「見沼田んぼ」の眺望を満喫できるように工夫をしています。椅子やテーブルを並べられるスペースも確保。

造り付けの囲炉裏テーブル

米松の大径木で木目に詰んだ材質の木材をピーラーの厚板を使った円形のダイニングテーブルは、中央を円形にくり抜いて囲炉裏をつくっています。使用しない時は蓋を閉めて通常のテーブルとして利用できます。

テーブルの半分は上がり座敷になっているので、床に座って使う「座卓」タイプ、もう半分は椅子で使用する通常のテーブルの折衷案。

上がり座敷の和室(仏間)

「寝転んでくつろげる畳の間がほしかった」とご主人。あえて、段差をつけた「上がり座敷」をLDK脇に配置。2本引き戸を閉めれば、独立した空間に。

その後の暮らし:木造新築住宅 2階リビング 「見沼田んぼ」を眺める暮らし (完成から21年経過)

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