【平屋空間+子供小屋】国産無垢材の家(福島県福島市)

【五感を育む遊び心いっぱいの家】国産無垢材の家づくり(福島県福島市)

【遊び空間で自由に育つ】 チルチンびと仕様の家(国産材使用)

デザインしたのは、愉しい仕掛けのある空間と、自由でのびのびとした暮らし。元気で賑やかな子どもたちの声がよく似合います。そんな独楽蔵ワールドにようこそ!

ご夫婦とお子さん(男子+男子+男子)の5人の子育て世代の住宅です。生活の基本は平屋空間ですが、一部子供スペースが2層の小屋空間になっています。リビングの中央に掘りごたつ形式の円形囲炉裏テーブルがあり、薪ストーブと共に食生活の重要なアイテムになっています。

家中あちこちに子どもたちの居場所がある、そんな家がいい。

JR福島駅からクルマで10分ほど。周囲に田畑や雑木林が点在する静かな住宅街に、宇野さん夫婦の家はある。

まず、最初に平屋部分の屋根を低く抑えた大屋根が目にとまります。その空を広く感じる外観は、薪ストーブの煙突と丸太で造作した薪置き場がアクセントに。『UNO』の文字がデザインされた木製の玄関ドアを開けると、無垢の木と白壁が調和する、自然素材で仕上げた明るい空間が迎えてくれる。四角い敷地の対角線を一辺とする三角形プランは、視線が斜めに伸び、家も敷地も広々と感じられます。

薪ストーブのある土間と、キッチン、ダイニングのつながりを見る。室内に国産材をダイナミックかつ個性的に使っているのがよくわかる。

遊び心あふれる仕掛けが満載

竣工間もない訪問では、宇野家の3人の男の子に、近所の女の子も加わり、すでにわがもの顔で家中を走り回っている。あちこちの引き戸を開け放てば、家全体がひとつながりの遊びになる。階段とは別に、2つの梯子が垂直に2階に伸びている。8歳の海斗くん、5歳の陸斗くんはもちろん、2歳の禅斗くんも平気で梯子を登っていく。彼らは回遊魚のように、今度は階段を降りてくるのだが、階段室の壁面から突き出た丸太に、手をかけ、脚をかけたりして実に愉しそうだ。

この家には、遊び心あふれる仕掛けがたくさんある。ほかにも、薪ストーブを設置した土間には半円形の腰掛けスペースがあり、その框部分に丸太が埋め込まれていたり、造り付けの円形ダイニングテーブルは、掘りごたつ式で、小さな囲炉裏が仕組まれていたり、2階にはリビングを見下ろせる桟敷のようなスペースがあったり・・・。「こんなに愉しい家が出来るとは思わなかった。」と、竣工の日に目を輝かせたという海斗くんの言葉通り、家中に楽しい驚きがいっぱいです。

「子どもの感性を触発するような家、いろいろなディテールがあり、居場所がたくさんある家がいい。」というのが、この家を設計した際のデザインコンセプトです。

家族みんなが元気をもらえる家

禅斗くんの誕生を機に家づくりを決意したというご夫婦は、ご主人の転勤でこれまで、仙台、山形、福島と移り住んできた。「転勤が多く、借家暮らしだったせいか、音やキズを気にせず、飛んだり、跳ねたり自由な気持ちで暮らせる家にしたかった」とご主人。夫妻の憧れは、かつて、チルチンびとに掲載されていた1軒の家。子どもがのびのびと暮らす楽しい家の雰囲気で、設計は「独楽蔵」と書かれていた。

仙台の街中に土地を手当てした夫妻は、独楽蔵に話を打ち明けてみると、意外にもとんとん拍子で話が進んだ。ところが、基本設計が完成した頃、不動産業者が変わって土地の話が白紙になるというトラブルが・・・。「もう、家は無理だと思いました。」とご主人は当時を振り返る。それでも、木を取り直した夫婦は、改めて子どもの育つ環境を考え直し、住み慣れた福島で土地を探すことに・・・。幸いにも、理想的な土地と巡り会い、ようやく完成にこぎ着けることができました。

この家の「イラスト計画案&コンセプトイラスト」はこちら

掲載誌:チルチンびと/2006 NOVEMBER 39号 特集 「子育て世代の家づくり」

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