工場2棟 (鉄骨造)・蔵・事務所棟(木造平屋)・日本家屋(木造2階建て)のリノベーション(埼玉県入間市)
江戸中期より200年の間、地元のみならず関東近県で親しまれていた「キッコーブ醤油」。そのお醤油を造り続けていた繁田醤油さんのリノベーションです。近年、都市化が進み、この地域での醤油造りは、困難となり地方での生産となりました。そしてこの地には、長い歴史と数々の物語の宿る工場、蔵、日本家屋などの建築群が残りました。今回、この建築群に、もう一度新しい息吹を宿らせるために、かつてこの地にあった迎賓館の名称「西山荘」を受け継いで、複合的な用途使用が可能な「西山荘STREET」を計画しました。
敷地を南北に貫く『STREET』を通す
今回のリノベーション計画のメインは、正面道路脇の木造平屋にあった事務所機能を、旧工場棟に移動する計画を軸に敷地全体を再整備することです。
南北に細長い敷地の中心に、建物内部も貫く、文字通りまっすぐな[STREET]を通します。その通りは、敷地北側の駐車場から、新しく部屋を配置した旧醤油工場の小空間を抜け、テラスを貫き、木造の建物群、さらには国道に至ります。