江戸末期の面影を今に残す店蔵のリノベーション計画
“180年の時を纏う“店蔵”、宿場町の記憶がそこに。時を越えて、ここに新たな風を吹き込みます。
栃木市に、築180年の歴史を刻む「店蔵」があります。その建物は、江戸時代に市内を流れる巴波川の舟運と、例幣使街道の宿場町として栄えた「栃木宿」の中心に位置しています。戦災を免れたことで、今も多くの蔵や町家が残るこの街は、「蔵の街」として知られています。

宿場町栃木市の例幣使街道沿いに建つ「中田家住宅店蔵」
今回のリノベーションの舞台となったのは、「中田家住宅店蔵」(登録有形文化財建造物)。切妻造・平入、総2階建ての土蔵造りで、推定築年は江戸末期。桁行5間(約9.1m)、梁間3間(約5.4m)と大きな規模を誇り、黒漆喰の外壁と高い棟が、重厚な存在感を放っています。