旧耐震と新耐震の違いと、住宅の耐震化の現状
2016年4月の熊本地震では、被害の多くが、旧耐震基準の建物に集中していました。
ニュースで「旧耐震」という言葉を耳にして、「うちの家は大丈夫かな?」と気になった方もいらっしゃるかもしれません。
そもそも「旧耐震基準」とは、現在の耐震基準の前の、古い基準のことです。
この記事では、旧耐震と新耐震の違い、そして住宅の耐震化の現状について、入間市の設計事務所KOMAGURA WESTがわかりやすくお伝えします。
この記事でわかること
・旧耐震と新耐震の分かれ目(1981年)
・建築基準法が考える「大地震」と「中地震」
・住宅の耐震化率と、耐震診断のデータ
耐震基準の分かれ目は、1981年(昭和56年)
建築基準法の耐震性は、これまで、大きな地震や災害があるたびに何度も改正されてきました。
現在の「新耐震基準」は、1978年(昭和53年)の宮城県沖地震を受けて、1981年(昭和56年)に耐震設計法が抜本的に見直され、誕生したものです。
ですから、一般的にいう「旧耐震」の建物とは、1981年(昭和56年)以前の建物のことです。
・旧耐震の建物:1981年(昭和56年)以前の建物
・新耐震基準の建物:1981年(昭和56年)以降の建物
建築基準法の改正は、その後も何度か行われました。それでも、1981年の新耐震設計基準の建物は、その後の阪神大震災(1995年/平成7年)やほかの地震の際にも被害が少なかったことから、これを境に、「旧耐震」「新耐震基準」と区別して表現されるようになりました。
耐震は、まず人命を守る考え方
現在の建築基準法の耐震基準では、耐震計算をするときに想定する地震を、「大地震」と「中地震」の2段階に分けています。
・大地震:建物が建っている間に遭遇するかどうかという、きわめてまれな、震度6強〜7クラスの地震
・中地震:建物が建っている間に何度か遭遇する可能性のある、震度5強程度の地震
そして、それぞれの地震で目標とするのは、次のことです。
・大地震のとき:建物が崩壊、倒壊せずに、人命を守ること
・中地震のとき:建物がほとんど損傷せずに、建物という財産を守ること
これが、建築基準法の考え方です。
ただし、建築基準法は、建築の許可申請のためのベースとなる考え方です。そのため、同じ新耐震基準の建物でも、耐震性のグレードはかなり異なります。
住宅の耐震化率は、約80%といわれます
平成25年の段階で、住宅の耐震化率は約80%(推計値:国土交通省ホームページより)とされています。
ただし、ここでいう「住宅」には、鉄筋コンクリート造や鉄骨造のマンションなども含まれています。そのため、木造一戸建て住宅だけの耐震化率は、わかっていません。




