【牧野記念館:設計者の視点から見た特殊な収まり】埼玉の建築家

【牧野記念館:設計者の視点から見た特殊な収まり】埼玉の建築家

①排煙窓の収まり

排煙窓は、火事の際、室内から煙を出すための窓。ですから、一般的に壁の上のほうについています。壁材と同様の杉板をパネルにして収めてあるので、目立たないような配慮があります。ここでは、壁に合わせて、一つ一つ大きさが違うので、計算が結構大変なんです。

②キール(背骨部分の鉄骨梁)

何十メートルと長い部材なのに、ジョイント部分がありません。現場溶接のはずですが、溶接部分がわからないくらいキレイに仕上がっています。キールは筒状の梁で柱同様に、細く仕上げてあります。構造の鉄部はキールくらいで、横繋ぎは屋根の下地材の垂木(木)で繋いである特殊な工法です。

③雨水の収まり

中庭側の雨水は、数カ所の縦樋に集められて、地下ピットに・・・。その途中で水生植物の水源として利用されています。

④敷地の高低差を利用したステージ広場

⑤本館は、一見平屋に見えますが、2階建てで、管理部門がB1(1階?)にキレイに収められています・・・。

2017/05/15

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