檜舞台の床は木裏が表、住宅の床は木表

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檜舞台の床は木裏が表、住宅の床は木表

ヒノキの無垢板 フローリング。厚みは15mm。床の表面は、もちろん木表。

能舞台の床と、住宅の床は、同じヒノキでも、板の使い方が大きく違います。

この記事では、「檜舞台」の意味とあわせて、木表と木裏の違い、そして能舞台が「木裏」を使う理由を、ご紹介します。

「檜舞台」の意味と能舞台のヒノキ

「檜(ヒノキ)舞台」といえば、大劇場や格式の高い劇場のこと、また一流として認められることなどの意味です。

その昔の江戸時代、檜の舞台が許されていたのは、能楽や歌舞伎などの幕府公認の劇場だけだったそうで、やはり文字通り、一流の証だったようです。

もともとは、能舞台の総ヒノキ造りに影響を受け、一般的には杉を使っていたのを、上等な劇場では、ヒノキを使うようになったそうですが、能の舞台はやはり、現在でもヒノキです。

檜(ヒノキ)といっても、住宅の材料とはスケールが違って、長さ6000mm×幅450mm×厚み45mmで無節なので、とても立派な材料ですね(国立能楽堂)。

舞台に板を張る向きも決まっていて、各席に向かって縦に張るそうです。

木表と木裏とは?

もう一つある、使い方の大きな違いが、表面に「木裏(きうら)」を使うこと。

「木裏」とは、丸太を板材に製材する際に、芯に近い方のことです。丸太の外側に近い方は、「木表(きおもて)」といいます。

基本的に板材は、木表側(丸太の外側)の収縮率が、木裏(丸太の中心側)の2倍なので、使っているうちに木表側に反ってきます(室内の湿度によって違いますが…)。

通常の建物では、表面が滑らかで木目が美しい「木表(きおもて)」を、仕上げ面に使うのが一般的です。

能舞台は、表面に「木裏」を使う

能舞台は、なぜか「木裏」なんです。

木裏を上にした能舞台は、木裏側がかまぼこ状にふくらむため、役者が足を踏み鳴らした時、音響効果が非常に良くなったり、木裏は木目が逆立つために、すべりにくくなるからだと言われています。

これは、推測になりますが、能は野外の舞台で上演されていたことも関係しているのではないかと思います。

① 木裏を上に使うと、断面がかまぼこ状に反って、雨のキレがいい。

② 木裏の方が、丸太の心材に近いので耐久性が高い。

屋外での有効な使用方法が、伝統として残ったのかも…。いろいろ考え出すと楽しいですね。

この住宅の床は、材料をお客さまと悩んだ末に、ヒノキの無垢材に決定しました。上小(じょうこ)という節のあまりない材料を選びましたが、ほとんど節がない無節のようなよい材料でした。

板の断面を見ると、きれいに木目がわかると思います。上が丸太の外側で床の仕上がり部分、木表です。

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