埼玉県の西部に位置する入間市。古くからある穏やかな住宅街の敷地に、ご高齢のお母さまとその息子さんご夫婦が暮らす、2世帯住宅を計画しました。お客さまからは「夫婦共通の趣味である自転車を室内に置きたい」「薪ストーブを愉しみたい」という2つのオーダーがありました。そこで「玄関土間=自転車の作業スペース&薪ストーブ」という特長的な家が誕生。アクティブで好奇心に満ち溢れたご家族らしく、気持ちの良い空間が描かれていきます。
ガラスの引き戸を全開放すると玄関土間とリビングの一体利用
現代的な土間のある家〜広いエントランスでロードバイクと薪ストーブを愉しむ〜
ご夫婦の趣味は、自転車。こだわりのロードバイクで、休日はサイクリングを楽しむアクティブな日々です。そこで、リビングと一体化した土間をご提案し、自転車の収納はもちろんメンテナンスや、ちょっとしたDIYなども楽しめる広い空間を計画していきました。土間の片隅には薪ストーブも設置。夏は涼しく、冬は暖かい空間になるので、一年を通してさまざまな作業を楽しめます。自転車の出し入れがしやすいように玄関扉は少し広め、幅1000mmのガラス一本引き戸です。明るく開放的なガラス戸は、ロールカーテンを活用することで、プライバシーの確保もできます。
自転車のための玄関土間(薪ストーブ付き)。夏涼しく、冬暖かい空間で使える土間に。
土間は墨入りモルタル仕上げ〜手仕事の風合いを感じる印象的な空間に〜
玄関土間の床は、墨入りのモルタル。通常のモルタルよりも黒い仕上がりで美しく、手仕事の風合いも感じられるのが魅力です。薪ストーブやロードバイクの作業場のため、汚してしまっても気にならないようなアクティブでラフな仕上げです。エントランスなどに土間をご提案する際は、作業がしやすいこと。モノの出し入れがしやすいことをポイントに、さらには冷暖房の設備を整えることで、より使い勝手の良い空間になります。
お気に入りのロードバイクはメンテナンスも楽しみのひとつ
玄関土間とリビングは一体空間に〜廊下のない家のメリットとは〜
リビングと玄関土間を隔てるのは、ガラスのスクリーン。正面のガラス引き戸を両側に引き分けると、土間(手前)とリビングが一体化し、開放的な空間がひろがります。廊下を排除し、土間空間も居住スペースにする工夫です。廊下のない家のデメリットとして、一般的にプライバシーや光熱費の問題などがあげられますが、ロールカーテンや断熱効果のあるガラス戸を取り入れることで、さまざまな課題がクリアでき、快適な空間が生まれます。
木製建具と丸柱の収まり
家をカフェのように〜長く伸びたダイニングテーブルをカウンターに〜
リビングの印象を決めるテーブルは、奥さまのオーダーに応えて、カフェのようなイメージに。さまざまな使い方が楽しめる造り付けの大きなテーブルです。材料は、丈夫で素材感も美しいタモ材を使用。ダイニングテーブルとしてはもちろん、長く伸びたカウンタースペースはワーキングスペースとしても活用できます。テーブルを支えるのは、ヒノキ、磨き丸太の大黒柱。構造材として家も支えていますが、同時にダイニングテーブルの脚にもなっています。日々のお食事はもちろん、音楽を聴きながらお酒を飲んだり、静かに読書をしたり。まさに自由自在なテーブルです。