埼玉県飯能市の店舗リノベーションデザインは一級建築士事務所/独楽蔵へ

飯能銀座商店街の老舗洋菓子店「夢彩菓 すずき」店舗リノベーション

飯能市の飯能銀座商店街は一方通行の商店街。飯能市のメインストリート、広小路の交差点から商店街に入ると、向かって左手の商店街のまさに入り口に「夢彩菓 すずき」さんの店舗をすぐに見つけることができます。「夢彩菓 すずき」さんは、創業から100年以上続く、老舗の洋菓子屋さんです。これまでの長い歴史の中で、少しずつ改造を重ねてきた店舗ですが、今回、フロントのデザインも一新して、大規模にリノベーションをすることになりました。

リノベーションにあたってのお客さんのご要望は以下の通りです

①昭和的な店舗の外観や内装を一新して、洋菓子屋さんの雰囲気にする
②店舗前に駐車スペースがないため、車が停められる方法も検討する(駐車違反対策も含む)
③現在、店舗部分の商品の陳列や在庫、備品などが散在しているため、なるべくまとめて、スタッフの動線を単純化する
④敷地奥への住宅部分のアクセス(玄関)もフロントに含まれる
⑤在庫搬入やスタッフ自転車、ゴミなどを管理できるストックヤード、バックヤードを確保する
⑥今回、厨房部分は直さないが店舗との動線は検討する

【改造前の店舗フロント部分の様子】

【今まで慣れ親しんだお店のロゴは、印象的に活用】

今回のフロントのファサードは、老舗の洋菓子屋さんらしい店舗の雰囲気にするために、普段はあまり使用しない装飾用のモールディングを使いました。元々、使用されていたすずきさんのロゴマークに合わせたブリティッシュグリーンの門型は、現代版の看板建築ともいえるかもしれません。緑の額縁の中に、大きなガラスの開口部を配置します。フロントサッシのフレームは木製で製作しました。門型と無垢材の組み合わせで、老舗の洋菓子屋と飯能らしさが、いい塩梅で交わるように心がけました。

【お店のエントランスと住宅やスタッフの入り口を分離】

この敷地は、商店街の表通りに対して短冊状に細長い形状で、店の奥には厨房スペース、中庭、住宅スペースがつながっています。住宅部分のアクセスも正面からになるために、お店のフロントとは別に、住宅やスタッフの入り口が必要になります。お店のフロントを綺麗に保って、生活感を出さないためには、玄関の前に、スタッフの自転車やゴミ、日常の小物などを隠すためのストックヤードが必要になると考えました。

商店街のイベントやお祭りの際などは、前面の大きな軒下空間と共に、このストックヤードが活躍します。

鈴木さんが作られる宝石のような洋菓子を連想させるように、建築も木製枠や家具工事など、細部のディテールに細心の注意を払いながらデザイン

【レジカウンターと冷蔵ショーケースの収まり】

店舗と厨房の間には緩衝地帯として、動線を考えながら、スタッフの作業スペースを効率的に配置しました。

【店舗内から表の商店街を見る】