飯能銀座商店街の老舗洋菓子店「夢彩菓すずき」OPEN 【ホンモノのモノづくり】家づくり・建築デザイン・住宅設計は、建築設計事務所：独楽蔵（こまぐら）

飯能銀座商店街の老舗洋菓子店「夢彩菓すずき」OPEN 【ホンモノのモノづくり】

2023/4/30

【OPENの日に家族のために買ってきたすずきさんのケーキ】

いい建築は、気を衒った(てらった)ところがなく、一見、普通の佇まいをしており、とてもシンプルに感じるものです。

風の音や鳥の囀り、虫の羽音を、より身近に感じたり、陽の暖かさや木陰の涼しさ、そして、移りゆく季節の変化を眺めながら、足の裏や手のひらで味わう、無垢材の肌触りなど、五感で楽しむことができる、有機的な空間であるともいえます。なんとも居心地がよくて、いつまでも過ごせることができます。どことなく懐かしくて、飽きがこない、そんな空間づくりをイメージしながら、設計という仕事に向き合ってきました。

【店舗の奥の厨房のさらに奥の中庭に日がさして、大きなお稲荷様が見える】

今回、飯能で長く愛されてきた「夢彩菓すずき」の店舗リノベーションにあたり、オーナーであるパティシエの鈴木さんから、さまざまなお話を伺いました。そして、洋菓子をつくる過程や仕事の取り組み方、そして、ケーキを実際にいただきながら、あらためて、これは本物のモノづくりの仕事なのだと深く感じました。

【ショーケースに綺麗に並べられたケーキやチョコ】

洋菓子の本場であるパリをはじめ、国内外でパティシエとしての研鑽を積まれたオーナーの鈴木さん。作り出す洋菓子はどれも上質で、宝石のようです。一流だからこそ、誰からも愛される、実に優しい味な気がします。オーソドックスなスタイルで、一見、普通のケーキに見えますが、素材も、カタチも色も、繊細で、プロダクトとして美しい。そして、言うまでもありませんが、どれも美味しい。最初のひとくちから、最後のひとくちまで、美しい物語のようです。

【すずきさんのロゴの入った玄関の木製扉】

おそらく、これまでも、たくさんのお客さまの大切な記念日や、なんでもない日々に、笑顔や幸せを届けてこられたのだろうと思います。また、鈴木さんと一緒にお店を作り上げてこられた奥さまの、気さくで優しい雰囲気も「すずき」の大切な顔です。そんな鈴木さんのつくる洋菓子のクオリティや、お店の世界観に少しでも近づけるように、改修の計画を進めていきました。訪れるお客さまにとっても、お気に入りの風景になれば、嬉しいかぎりです。

【ショーケース上部の木製ペンダントライト】

こういう出逢いから、貴重な「気づき」を頂きながら、設計デザインの仕事を続けていけることは、とても幸せな作業です。これからも、さまざまなクライアントの方との出逢いを大切に、真摯に仕事をしていけたらと思っています。そして、ちょっといい仕事ができたり、行き詰まったりした時には「すずき」に立ち寄るのが楽しみです。