いつだったか、友人家族が、初めて我が家に遊びに来てくれた時のこと。夫のJさんは、アメリカ人の方だったのですが、興味深そうに玄関の土間を眺め、家の中をめぐり、薪ストーブに頷き、デッキから庭先を楽しそうに散策した後に「なぜでしょうか、懐かしいです」と言ったのです。
「子どもの頃、決まって庭でバーベキューをしたことや、おじいちゃんの家に遊びに行ったことを、ふと思い出しました。そうそう、アメリカはこういう丸いバーベキューコンロで、でっかい肉を焼くんです」と嬉しそうに教えてくれました。
我が家のまわりは、日本の里山が残るのどかな地域で、家のデザインも決して洋風な意匠ではありません。でも光や風の通り道を大切に、季節の移り変わりを感じることのできる家というのは、国境とか世代とかを超えて、どこか懐かしい、ふるさとのような、普遍的な心地よさを呼び起こすのかもしれません。
そう思うと、最高の褒め言葉をいただいたような気がして、こちらも嬉しくなりました。そして〝家づくり“とは、いろいろな人の心に、それぞれのあたたかなふるさとを作る作業なのかもしれない、と思ったのでした。
writing:maiko izumi
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