埼玉県入間市の木造住宅は一級建築士事務所/KOMAGURAWESTへ

「応急危険度判定士」講習に参加:地震への備えと、家をつくる仕事

先日、「応急危険度判定士」の資格を得るための講習会に参加してきました。

きっかけは、いたって素朴なものです。首都直下地震、南海トラフ地震、富士山の噴火。近い将来、必ず起こると言われているものたちに対して、自分の持っている技術を、少しでも役立てられないだろうか。そう考えたからでした。

講習の申し込みをしたのは、数ヶ月前のこと。その直後に熊本で地震があり、千葉では豪雨災害がありました。ニュースを見るたび、なんだか心がザワつきました。備えようとしていた矢先に、現実が追いかけてくるような感覚です。

私が働きはじめて、数年経った頃、阪神・淡路大震災がありました。当時はゼネコンに勤めていたため、震災後、約1ヶ月間、応援に行き、大阪府豊中市で、市の職員に同行して、家屋の調査(半壊、全壊の判断)をしました。そのときは、まだ、そのような資格はなかったと思います。

「応急危険度判定士」とは、大規模な地震が発生した直後——概ね3日後から2週間程度の間に、市町村の要請を受けて、ボランティアで被災した建築物を調査する人のことです。余震などによる倒壊や、部材の落下から生じる二次災害を防ぐために、「この建物は今、安全かどうか」を応急的に見極めます。阪神・淡路大震災をきっかけに、平成7年(1995年)頃から各都道府県で制度が広がっていきました。

講習会の会場には、年齢も性別もさまざまな建築士の方々が、数十人ほど集まっていました。普段、ひとりで図面と向き合う時間が長い仕事だからこそ、同じ思いを持つ人たちがこれだけ集まる光景に、少しうれしい気持ちになりました。

似たような業務も、いくつかあります。混乱がある程度落ち着いた時期に、建物を復旧できるかどうかを詳しく調べる「被災度区分判定士」。罹災証明のために、全壊や半壊といった被害の程度を認定する「家屋被害認定士」。どちらも大切な役割ですが、応急危険度判定士の仕事は、あくまで地震が起きた直後、二次災害を防ぐための、応急的な判断です。

「これから先、どう暮らしを立て直すか」ではなく、「今この瞬間、そこにいて大丈夫か」を見極めるためのものです。

家をつくる仕事は、本来、そこに住む人の日々を守るための仕事だと思っています。その延長線上に、こうした「もしも」への備えがあってもいいのかもしれません。

もしお住まいが木造の古い建物でしたら、簡易的な耐震診断をしてみるだけでも、暮らしの安心は、少し変わってくるかもしれません。ご興味のある方は、お気軽にお声がけください。

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