無垢材が生む「好ましさ」と「リラックス度」
内装の仕上げ材として「50%程度、木質化(無垢材)した住宅は、住み手が良好な睡眠を得るのに最も効果的である。」という研究結果(慶応義塾大理工システムデザイン工学科:伊香賀教授)が、最近わかったそうです。その要因として、木の香りが強いほど「好ましさ」と「リラックス度」が高いこと、無垢材を好ましく思う、見た目の効果が上げられていました。
木の使用量が多すぎると見た目の好ましさが低下する
また、見た目の好ましいと感じる割合が、50%をピークに100%に近づくにつれて下がる傾向にあったり、壁面においては木の使用量が多くなるにつれて見た目の好ましさが低下するという興味深い結果もありました。室内の仕上げ箇所を「床」「壁」「天井」に分けて考えると、約50%というのは「床」と「天井」を合わせた程度の面積で、割合とすると「壁」の仕上げを抜いたくらいがちょうどいいバランスのようです。
木質系の仕上げ(主役)に対して、どこかに余白(脇役)が必要
自分設計をした経験則的には・・・、あまり木質系の材料を使いすぎると部屋に圧迫感が出てきたり、狭さを感じたりすることがあると感じていました。ですから、室内空間をデザインする際は、木質系の仕上げ(主役)に対して、どこかに余白(脇役)というか、抜いた部分が必要なのでは・・・と思ってデザインしていたので、研究としての結果の裏付けがあると、やはり実際に研究結果がそうなのかと、少しうれしい気持ちになりました。
この研究の延長に、「無垢材の種類による差異」の研究があるのかどうかはわかりませんが、これまでいろいろな住宅で使用した経験から考えると、やはり杉や檜などの比重の軽い(空気を多く含んだ)国産材のほうが、より効果は大きい気がします。ただ、無垢材の種類によって室内の雰囲気や使い勝手などが、かなり変化しますので、住空間において住み手が、どの部分を重要視するかによって使用材料を使い分けていく必要はあるかと思います。
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