バリアフリーならぬ、バリア“アリー”の考え方

上がり座敷で遊ぶお子さま

バリアフリーならぬバリア ”アリー”という考え方

「バリアフリー」と聞くと、床をフラットにすることを思い浮かべる方が、多いかもしれません。

この記事では、ニュースで知った「バリア“アリー”」を手がかりに、本当の意味でのバリアフリーを、設計者の目線から考えてみます。

本当の意味で障壁を取り除くためには

物理的な障壁と、精神的な障壁。この2つを本当に取り除くには、どうしたらよいのでしょうか。

先日、朝のNHKニュースで、高齢者の福祉施設で、『バリアフリー』ならぬ『バリア“アリー”』の施設が、少しずつ広がりを見せている、というような特集をしていました。

『バリア“アリー”』とは、単純に床をフラットにするのではなく、考えられた段差や階段などを、日常の生活に取り入れたほうが、生活者の身体機能の改善や、生活意欲の向上に有効ではないのか、という考え方ということです。

人それぞれに異なるバリアフリーがある

日本では、いまだに誤解されたままですが、本来、「バリアフリー」とは、「日常生活の支障となる物理的、精神的な障害をなくす」という意味で、単に床をフラットにするということではありません。

使う方にとっては、逆に、段差があったほうが使いやすい場合も、多くあります。

また、視覚に障害のある方にとって有効な点字ブロックは、高齢の方にとっては、つまずきやすい障害物だったりする場合も、あります。

要は、使う人それぞれによって異なる使い勝手を考えながら、なるべく万人に対して、障壁の差が出ないように考えることが、本来の「バリアフリー」なんだと思います。

そういう意味においては、日本もやっと、少しずつではありますが、元々の理念に近づいてきているのかなぁ…という気もします。

家と施設の、バリアフリーの例

靴の履き替えが座ってできるようにつくった、畳のベンチと、縦に長い手すり。

指の動作が不自由な奥さまのために、キッチンの引き出しを、手のひらを使って開け閉めできるように工夫した引き手です。

「バリアフリー法」の裁量権

しかし、現在は、「バリアフリー法」という法律で、公共性があったり、大規模な施設を新築、改修する場合は、その基準にあった建物でなければなりません。

基本的には「バリアフリー法」には大賛成ですが、単純に「段差をなくす」とか、「手すりは必須」など、法律によって、一律に設置基準を義務化されるのは、どうなのかと思います。

ニュースで紹介された「バリア“アリー”の施設」の完成にあたっては、経験上、行政との間で、かなりのバトルが展開したと思われ(笑)、その苦労も想像できました…。

他の分野でもいえることだと思いますが、「最低限の基準に合わせた法律」で縛ることなく、事業者、利用者などの当事者に、ある程度の裁量を任せてほしいものだなぁ…と感じます。

すべては、使用者さん、利用者さんの幸福のために。

バリアフリーのご相談は

KOMAGURA WESTでは、新築の木造住宅はもちろん、古民家や中古住宅の現況調査、バリアフリーの小改造、断熱性の向上や耐震補強などのご相談も、お受けしています。

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