埼玉県飯能市/入間市の新築木造住宅/リフォームの住宅設計デザイン

みずみずしい子育てファミリーのすっきりシンプルな暮らし〜埼玉県飯能市の新築住宅〜

施主は若いご夫婦と、小さなお子さんの4人家族。爽やかで、まさにみずみずしい若木のようなご家族の、未来の土台となる新築住宅の計画です。埼玉県は西部に位置する飯能市の住宅街。細い路地を入っていくと、表通りからは見えない広大な敷地が、ふいに現れます。そこには、大工さんだった祖父とお父さまが建て、現在は施主のご両親が住む母家と、祖母が暮らす住宅。また作業小屋や納屋も点在、小さな畑もあります。そこで、まずはその敷地の、どの場所に、若いファミリーの新居を建てるのが良いか?将来的な全体の土地利用も考えなから、可能性を探していきました。

日々アクティブに過ぎていく子育て中でも、すっきりとシンプルな暮らしをめざして。

元気いっぱいで太陽のようなお子さまたちとの日常は、エネルギーに満ち溢れています。そんななかでも、おだやかで清涼感のあるご夫婦。家づくりに関しても、シンプルでなるべくモノを置かない暮らしをめざしていました。しかし子どものモノというのは、どうしても溢れてしまいがち。衣服類はもちろん、幼稚園や保育園の持ち物、工作の作品や玩具、捨ててはならない謎の宝物。子どもは、汚したり散らかしたりするのが仕事ですから、なかなか室内をきれいにキープしておくことは難しいものです。そこで、散らかっても気にならないスペースと、モノを置かないスペースを、しっかり分けて考えることで、片付けも、日々の子育てや家事も、家族みんながストレスなくこなせる。そんな柔軟性のあるプランを考えていきました。

子育て世代の新築住宅では、キッチンは家の司令塔

キッチンのプランには、さまざまなスタイルがあります。完全にリビングと分離したキッチンもあれば、フルオープンに近いアイランドキッチン、人気の対面式。リビングと一体で、壁のほうを向いているキッチンもあります。子育て世帯の新築住宅では、リビングと一体の対面キッチンが1番オーソドックスかもしれません。キッチンを家の中心に置くことで、キッチンに立っているだけで、庭を含めた家全体を見渡すことができ、子どもたちにも気を配ることができます。キッチンへ入る動線も限定できますので、チャイルドゲートなどを使って、子どもが危険なキッチンに入るのを防ぐことも可能です。お子さまの成長に合わせて、少し目を離しても楽に家事ができるようになったり、いずれは一緒にキッチンに立つ時もあるかと思います。ご家族にとって、良いコミュニケーションの場にもなるでしょう。

裸足で歩いたり、寝そべったり、時にはペロッと舐めてみたり。触覚が大事な子どもには無垢材がおすすめ

リビングの床は、オークの床材。積層の集成材ですが、表面は本物の無垢材です。裸足で歩いてみると、木の固さ、柔らかさ、厚みを足の裏で感じることができて、「家」と対話をしているような気もしてきます。床面を250mm上げた上がり座敷は、もちろん畳ですので、子供たちはリビングの床とは違う触感を感じるはずです。建物の素材だけでなく、木の匂いや風の通り道、光のやわらかさなど、住まいを取り巻くさまざまな要素を、ご家族で楽しみながら、いくつもの思い出を作っていただけたらと思っています。

引き渡しの際、お子さまが五感をフルに使って、真新しい住まいを楽しむ姿は、本当に微笑ましいものでした。ゴロゴロと床を転がったり、寝そべってみたり、走ってみたりと、空間や素材を感じながら、いろいろな感覚を養ってくれるのではと思っています。上がり座敷は、子どもにも高齢の方にも安全で、かつデザイン的にもバランスの良い、高さ250mmの段差をつけてあります。

リビングと続き間になっている畳スペースは、想像以上に便利です。

リビングと続き間になっている畳スペース。引き戸を閉めてしまえば突然の来客でも隠すことができますし、床面をリビングから少しあげた上がり座敷にしておけば、多少散らかっていても、案外、気にならないもの。要は、すっきり片付いている部分(リビング)と、多少散らかしてもいい場所(和室)のメリハリが大事です。和室も、引き戸のデザインや壁、窓の位置など、リビングと調和する仕様になっているので、若いファミリーにも馴染みやすい空間に仕上がっています。

上がり座敷は、オープンにするとリビングと一体化。2本引戸を閉めると、個室に変身。赤ちゃんがいる家などでは、寝かしつけにも便利です。ご両親や友人、こどものお友だちなどが遊びにきた時は、この部屋を客間としても活用できますので、ゆとりのある押し入れ収納を備えています。

汚れの侵入する玄関は、シューズクロークと造り付けの収納でスッキリと

リビングと同じように、モノが溢れがちな玄関。玄関も「すっきりとシンプルに」というご希望がありましたので、かなりゆとりのあるシューズクローク(右の扉)を設置しました。玄関部分にも作りつけのコート、バック置き場を作ってあります。ご主人が学生時代から続けているホッケーの用具なども、収納することができます。玄関に外からのさまざまな荷物を整理することで、リビングに汚れを持ち入らないという衛生的なメリットもあります。

外観はグレーのグラデーションでシンプルに

ガルバニウム鋼板のパネルとモルタル吹き付けの外壁は、無彩色のグレーの明暗のグラデーション。庭のグリーンの背景としてもシンプルで綺麗です。新しい植栽などを加えることで、よりバランスの良い風景が楽しめます。お子さまたちののびやかな成長と共に、どんな暮らしが育まれていくのか、とても楽しみです。