埼玉県狭山市の新築木造住宅は建築設計事務所/独楽蔵へ

【温故知新なふたりの、こだわりに溢れた上質な暮らし】(埼玉県狭山市の新築木造住宅)

今回の敷地は埼玉県狭山市の住宅街と市街化調整区域の際(きわ)に位置し、さまざまな自然の表情を愉しむことができる環境にあります。敷地の東は、住宅が建ち並ぶ市街化区域。西から北にかけては広大な田園風景がひろがり、北東の方向には田畑の奥に智光山公園の緑を眺めることができます。

施主は若いご夫婦です。建て主さんの祖父の代から暮らしている敷地には、ご両親の住宅に連結して祖父母の住宅が建っていましたが、現在、空き家になって使われていませんでした。その家をリノベーションするのか、新たに建て直すのか…。「家づくり」は、まずはその方向性を決めることから始まりました。

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古い住宅をリノベーション?それとも新築?〜設計事務所と一緒に考える家づくり〜

古き良きものを大切にしたいご夫婦は、当初、おじいさまたちが大切に過ごした昔ながらの家を直して暮らしたいお考えでした。実際に家屋調査をしたところ、建物自体は十分に改築して使える状態でした。ただ、元々の家自体が大きいので、使わない部屋がたくさん出来てしまうこと。居住性を現代のスペックに合わせようとすると、家全体を直す必要があるなどの課題が出てきたことから、新たに木造新築住宅を建てることになりました。地域とのつながりを大切にしたいという想いや、休日には美術館やギャラリーめぐりをすること。暮らしのなかに昔ながらの日本モノも取り入れたいことなど、さまざまなお話を伺ううちに、シンプルな中にもおふたりの上質なこだわりが溢れるプランが生まれました。

リビングの続き間の和室からリビング方向を見る。

リビングのインテリアはテーマを決める〜作り付けダイニングテーブルと北欧ペンダントライト〜

造り付けのダイニングテーブルの上には、ライトグレーのペンダントライト。神棚の下がり壁と同じ色調で、とても印象的です。このペンダントライトはデンマークFritz Hansen(フリッツ・ハンセン)社の「SUSPENCE」。ご夫婦のチョイスです。数多くのデザイナーと協力して生まれたFritz Hansen(フリッツ・ハンセン)社の家具は、北欧デザインの代名詞です。

ダイニングスペースの奥の窪みはAVボードとテレビ置き場、その上部は神棚になっています。神棚の高さは1650mm、少し低めに造って日常的な使い勝手のよさを考慮しました。リビングなどのインテリアを決める時は、何かひとつコンセプトを作っておくと、その後に他の家具をプラスしていく際も、統一感を失うことなく、気持ちの良い空間を育んでいけます。

リビングの「壁」は、使うほどに味が出る“杉の無垢材”

キッチンカウンターとリビングの北側の壁は、モノを飾ったり、張ったりするための「使う壁」。杉板の無垢材なので、押しピンや釘、ビスなど何処でも使うことができます。杉の無垢板ですが、節無しの材料なので、上品な雰囲気があります。

リビングは、楽しく美しく〜造り付けのダイニングテーブルとアームチェア〜

ダイニングテーブルは造り付け。天板の材料はメラミン板ですが、日常的に手の触れる縁の部分はタモ材(無垢材)でつくってあります。カウンターと一体になっているので、丸棒の脚一本で固定してあり、テーブルを囲むように座ることが可能です。お掃除も楽ちんです。

ダイニングの椅子はマルニ木工さんのアームチェア。これもお客さんのチョイスです。とても美しいシルエットで、しっかりと包まれるような座り心地も抜群です。アーム部分がダイニングテーブルに干渉しないように、あらかじめテーブルの高さを通常より20mm上げて、取り付けました。

リビングの東側方向を見る

リビングの続き間(和室)、戸襖の開閉の様子と玄関へのガラスドア。

キッチンは濃紺色のモザイクタイル

杉板の目透かし張りの収まり

キッチンの脇には3面違い棚の食器庫があります。リビングの造り付け収納の上部は、配線のコネクターやコンセントを集結させて通信のステーションにすれば、配線がスッキリです。

和室は造り付けの掘りごたつ形式

掘りごたつ形式のテーブルを制作した上がり座敷。L型の戸襖を閉めれば個室空間に・・・。

玄関内部

玄関からリビング方向を見る。障子の明かり取りの向こうは上がり座敷の和室

玄関ドアは製作の木製ドア。お客さんのイニシャルの「H」をデザイン化。

玄関脇のシューズクローク。住宅の入り口はアールコーブのポーチの側面にあります。

アールコーブの玄関ポーチ

アールコーブ(くぼみ空間)を利用したこの家の玄関ポーチの正面には、スリット状のガラスをはめ込んだショーケースがあります。ショーケースは季節の飾りや好きな小物を飾ってもらうためのデコレーションスペースになっています。家の内部(プライベートスペース)と社会(パブリックスペース)の接点に位置する空間(玄関)を彩る暮らしのための仕掛けです。白い背面が開き戸になっていて、室内のシューズクロークの中から開閉できるようになっています。

玄関ポーチのショーケースは、白い背面が開き戸になっていて、室内のシューズクロークの中から開閉できるようになっています。

敷地の西〜北側は広大な田園風景が拡がっていますので、階段部分の北側窓のガラスは、あえて透明にしています。

writing監修:maiko izumi