【青梅市釜の淵公園内『旧宮崎家住宅』を見学】埼玉県の設計事務所 青梅市の家づくり
2020/2/2
桁行12.4m、梁間7.0m、入母屋造、東面庇付。この地方独特の杉皮と茅を交互に混ぜる屋根の葺き方が特徴的な古民家
『旧宮崎家住宅(重要文化財)』は、元々、埼玉県飯能市にほど近い、北小曾木村(現:青梅市成木8丁目)の山村にあった民家です。推定築200年。「広間型」と呼ばれる古い型式の間取りを持っている事や、この地方独特の杉皮と茅を交互に混ぜる屋根の葺き方が特徴的な古民家です。東京から埼玉にかけての当時の民家の形態や暮らしの様子がよくわかります。
宮崎家のあった旧北小曾木村は、田畑が少なかったため、農業や山仕事のほかに、土地に産する石灰石を焼いて壁などの建築用材である石灰いしばい(消石灰)を生産して生計を立てていたそうです。青梅市成木は自宅から割と近くて土地勘がある地域なので、なんとなく地域の雰囲気がよくわかります。
広間の北隅にある『押板』と呼ばれる座敷飾りは、南向き
住宅の間取りは、入口に竈かまどのある土間があります。囲炉裏のある広間には間仕切りがなく、接客、団らん、食事、炊事などの生活の中心機能が、一体化して大きなワンルームとなっています。そして、出居(でい)、奥と呼ばれている畳敷きの部屋があります。入口横には、水の流せる風呂場のような場所もあります。現代の2LDK住宅のような間取りで、当時の農民の質素な生活を垣間見ることができます。
土間には当時の農機具が展示してあります
広間の北隅にある『押板』と呼ばれる座敷飾りは、南向きで、床の間の原型と考えられ、現在の床の間のような使われ方をしていました。南側の広縁は、常に外部に解放されていて、内と外を仕切る開口部は、「出居:でい(客間)と広間」と「広縁」の間の敷居にあります。開口部は2枚の雨戸と1枚の明かり障子のみ。戸袋はありませんので、常に開口部の半分には雨戸がある状態です。
囲炉裏の風景
築100~150年の古民家の改修やリノベーションの設計は、何度か経験がありますが、築200年になると、やっぱり本当に家の造りが古いなぁ〜と感じますし、生活様式がずいぶん違うことがよくわかります。建物の管理をしているおばちゃんが、すごくて、常に雑巾のから拭きで柱や建具、床板などを磨いているそうで、部材が黒光りしています。囲炉裏も通常、燃やしているそうなので、土壁や梁も黒くなって、生活感があり、建物が生きている雰囲気がしました。やはり、建物は使われていないとダメですね・・・。
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