【20年前に製作した巾3000mmの木製開口部を改造する】
2020/6/6
築20年の2階リビングのリフォーム
約20年前に独楽蔵で設計した住宅の2階リビングの改造です。大きなバルコニーに面した木製の大開口部は、巾3000mm高さが2100mmの大きな開口部です。建具の巾が1500mmの2枚の引き戸が、それぞれ両脇の戸袋に完全にスライドしてフルオープンになる構造です。とても大きな開口部で存在感はあるのですが、20年経過していろいろな問題が出てきました。
① 建具自体が大きくて重いのこともあり、戸車が摩耗して動かししにくく調整が必要
② 20年前で、ガラスがペアガラスではないので、断熱性が悪い
③ 現状の引き戸をペアガラスに交換するには建具自体の厚みが少ないし、ガラスがさらに重くなるので可動が少し不便
④ 網戸の網の交換が必要
ライフステージの変化に合わせて、開口部も改造
現代の建物の仕様、これからの暮らしに合わせて木製開口部を改造することに・・・。
巾3000mmの開口部を、『FIXガラス(巾900mm)部分+巾900mmの引き戸(可動部分)+FIXガラス(巾1200mm)部分』に3分割して、可動部分を900mmの引き戸部分に限定しました。可動部分を全体の1/3程度に限定することによって、建具自体も軽くて、開閉しやすくなりますし、網戸もこの部分だけでOKです。そして、木製建具特有の機密性の低さも軽減することが出来ます。
現場では、新しい枠組みが完成。框部分の板金も新しく巻き直してキレイに収まりました。後は、枠の塗装、レールの取り付け、ガラス、建具の取付を待つばかりです。
新しい木製縦枠
今までのガラス開口部(2本の大きな引き戸が両側にスライドします)
框部分の板金も収まり(旧戸袋は新しい縦枠で塞いであります)
旧ガラス戸&網戸の収まりの様子
新縦枠についている溝は『戸ジャクリ』といって、引き戸と枠の隙間を軽減する溝です
新旧の木枠の収まり