埼玉県飯能市 自然素材の新築木造住宅の住宅デザインは一級建築士事務所/独楽蔵へ

飯能市の新築木造住宅の完成から9年経過した経年変化の様子

久しぶりに飯能市のお客さんの家にお邪魔しました。完成から9年が経過した子育て世代のご家族の木造住宅です。お伺いしたのは、雨降りの夕方、厚い雲の間からさす橙色の太陽の光を美しいと感じたり、小糠雨(こぬかあめ)の静けさを体全体で味わったり。そういった日常の些細な断片に気づいて、豊かさを感じたり、家族と共有することができる自然と育む暮らしがあります。

ご家族は、もう慣れてしまって、あまり感じないそうですが、室内に入ると杉の無垢材特有の柔らかい空気や香りに包まれるのが体感できます。

自然が身近にある暮らしは、違う視点から見ると、「自然や他者から受け取る感性や感覚を育てる暮らし」であるといえるかもしれません。大人も、もちろん豊かで楽しいことなのですが、それ以上に子供たちの深い記憶、原風景の中に、そのような風景や思い出の断片が、たくさん残るのは大事なことだと思うのです。

その一助として、「家づくり」があれば、よりうれしいです。

床材は杉のフローリング。5寸幅(150mm)の節なしの無垢材です。節のある材料に比べて、ちょっと上品な感じに仕上がります。お子さんは2人の元気な男の子なので、柔らかな杉材は、凹みや傷が増えますが、経年変化して、それが家族の歴史や、味わいになっていくのが、この無垢材のいいところです。階段の段板も杉材。角が丸くなってきて、いい感じです。足の裏のあたりが柔らかくて、温かいので、これからも裸足でどんどん使い込んでほしいです。

北側のダイニングの窓からは、中景に高麗川の流れ、近景には山桜の大木を見ることができます。春、窓から見える桜の花も美しいそうです。

この家のメインの暖房は薪ストーブ。ガッツリと燃やすために薪ストーブの周りは、薪をそのまま並べたり、汚れてもいいようにモルタルの床仕上げになっています。