【川の近くに家を建てるのは危険なのか?】設計事務所の家づくり
川沿いの家の耐震性について
近年、台風や集中豪雨などによって、洪水や浸水被害が多く発生したので、川に隣接した土地は、ぼんやりと洪水や地震などの災害の際に危険なイメージがあるかもしれません。もちろん、粘土やシルトなどが滞積してできた軟弱地盤や、砂地の液状化現象、水面からの地盤面が近い場合など、危険な場所が多くあるのも事実ですが、逆に、岩盤や玉石、礫層などで地盤に強度があったり、高台だったり、より安定している安全な場所もあることも事実です。
地震に対しては、建物の耐震性が重要なのはもちろんですが、建物が建つ地盤の強度が最も重要になります。

名栗川沿いの崖の上の家(飯能市)
写真の住宅は、崖上にあり、台地の表層部に見られるやわらかいローム層(風化火山灰層)が取り除かれていて、新生第三紀(恐竜が絶滅した後の2303万年前〜258万年前)に堆積した砂礫、固結粘土層で、そのさらに下は中生代、古生代に堆積した基盤岩である秩父層群(軟岸)という非常に固い(良好な)地盤でした。

名栗川沿いの崖の上の家(飯能市):リビング
写真の家もそうなのですがが、経験上、昔から集落があったり、川筋があまり変化していない場所は、比較的良好な土地が多いような気がします。現在、新しく建物を建てる際は、かならず地盤調査を行いますし、崖に対して安全性を担保する崖条例が各自治体にありますので、一定の安全性は確保出来ると思いますが、通常の敷地に比べて注意を払う必要があるのは言うまでもありません。

リビングからの対岸の緑の借景
川に隣接した敷地で計画する際は、地盤の他に、
①湿気
②湧水の状況
③水の音(昼間、気にならなくても、夜や豪雨の際、気になる場合があります。)
④「家相、風水などを気にする方」など、気をつける必要があります・・・。