埼玉県日高市の新築木造住宅は建築設計事務所/独楽蔵へ

【設計事務所 独楽蔵がデザインした家に住むひとの日常】暮らしと行事(節分)

【暮らしnote No.07】
writing:maiko izumi

埼玉県入間市にアトリエを構える建築設計事務所 独楽蔵 KOMAGURAが設計した新築木造住宅に住む生活者(maiko izumi)から見える日々の暮らし

今年も、節分がやってきた。柊鰯も飾らず、恵方巻きもなく、それらしいことはしないけれど、豆まきだけは、家族揃って行うことにしている。おもむろにガラス戸を開け、深呼吸。外の庭に向かって、夜空に向かって、思いきり豆を投げ放つ。

そして、大声で叫ぶ。私が。私だけが。

家族のみんなは、というと、いつも独り言程度の音量、森田童子ぐらいの囁きだ。おそらく鬼も聞き取れないほどの。しかも、そのイベントに対する温度差は、年々開いていくような気がする。

思えば私の母も、毎年「節分ミュージカル女優」ばりに叫んでいて、これ誰かに聞かれたら嫌だなぁと、ひそかに思っていた。だのに歴史は繰り返され、今や私は二代目節分ミュージカル女優として叫び、子どもたちは、その瞬間、気配を消す。これはまさしく悪しき豆まきスパイラル。

というわけで、今年は、真っ赤な鬼のお面が置いてある、お馴染み節分豆の売り場を、心を鬼にして通り過ぎた。するとどうだろう。夕方、息子が「豆、買ってあるよね」と言う。思わず「やりたいの」とうわずって聞き返した。「そういうことはちゃんとやらないと、やばいでしょ、いろいろ」。

夜のスーパーに慌てて、豆を買いに行く。なんだなんだ、みんな結構楽しんでたんだ。私のやっていたことは、間違っていなかったし、ちゃんと伝わってたんだ。俄然やる気が湧いてくる。これはぜひ、鬼にも報告しなければ。

夕食後、勢いよくガラス戸を開けた。ボルテージは、最高潮に。「鬼は外、福はうち」大声で叫ぶ。私が。私だけが。家族の微かな囁き声は、やはり今年も変わらずだった。でもきっと、それもこれもひっくるめて、家族ならではの愛おしい風景になっていくのだろう。

ちなみに、我が家の節分は、ここでは終わらない。

次の日からしばらく、庭のあちこちに散らばった家族全員分の豆を、犬がふくふく鼻を膨らませながら、探して食べ尽くすというところまでで、ひとつの年中行事となっている。豆まきの豆の匂いなんて微かなもので、はたしてわかるのだろうか、と疑問に思うのだが、それはまあ上手に見つけてゆく。デッキの隙間。木の幹の間。落ち葉の下。小さな福を、ひとつひとつ拾い集めるように。

私は、一心不乱に豆を探す愛犬の姿に、イタリアの森でトリュフを見つける小豚の姿と重ね合わせ、「ああ、これが全部トリュフだったらなぁ」などと下世話なことを思いつつも、家内安全、無病息災を切に願うのだった。

建築設計事務所 独楽蔵(こまぐら)では、新築のペットと暮らす木造住宅はもちろん、庭づくりや古民家や中古住宅のリフォーム、リノベーション、現況調査や耐震補強などのご相談もお受けしています。今、お住まいの住宅で、気になっている部分、ご不明な点や疑問点などあれば、電話やメールなどでお気軽にご相談下さい。

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この住宅の完成時の様子はこちら↓
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