埼玉県日高市の新築木造住宅/リフォームは建築設計事務所/独楽蔵へ

【設計事務所がつくった住宅に暮らす生活者目線 】玄関土間の使い勝手

【暮らしnote No.04】
writing:maiko izumi

埼玉県入間市にアトリエを構える建築設計事務所 独楽蔵 KOMAGURAが設計した新築木造住宅に住む生活者(maiko izumi)から見える日々の暮らし

独楽蔵の設計した家に住む生活者の暮らしの気づき

玄関を整える。とても清々しくて、気持ちの良い作業だ。我が家の玄関は、いわゆる昔の家でいう土間づくりで、上質な迎賓の趣というより、外と内をゆるやかに繋ぐ、動きのある空間だ。家族と犬が日々、出入りするので、はき掃除がしやすく、汚れが目立たない、炭を練り込んだモルタル仕上げの床が効いてくる。

自転車や靴のメンテナンスはもちろんのこと、レインコートを干したり。引き戸を網戸にすれば、夏は犬のお気に入りの涼み場になる。かつては、玄関前のデッキや上り座敷も活用し、子どもの友だちがギュッと集まっての、カードバトル会場にもなっていた。子どもはすっかり大きくなり、泥んこのかたまりのような我が子を、玄関からわっしと抱き抱えて、そのままお風呂へ直行という日常もなくなった。家は、住む人の暮らしの変化に寄り添うように、おおらかに開いたり、やわらかく包んだり。そっと暖めたり、風を通したり。時には程よい距離を置いたり。一緒に呼吸するように、成長していける場所であって欲しい。

【作業スペース&わんこスペースとしての玄関土間】

ちなみに我が家は、現在、ピッチリ壁を作りたい年頃の人がいる。「絶対に、勝手に、部屋のドアあけないで」と鶴の恩返しみたいな台詞を残して、自分の部屋に消えていく日々だ。学校から家に帰って来た時、玄関に響く「ただいま」の声は、鼻歌まじりなこともあれば、とげとげしい日もあるし、消えいりそうなくらい小さな時もある。秘密はきっと、小さなスマホのなかに詰まっていて、悩みも苛立ちも、いっそうわかりにくくなっていく。

明日、玄関に椿の花を飾ろう。ぽってり古風で、昔はそれほど好みではなかったけれど、今は不思議としっくりくる。熱苦しいほどに密な子育て期を過ぎ、ほっとするような、それでいて少し寂しいような。あの頃とはまた違った種類の心配事に、グワッと押し潰されそうな時もある。そんな過渡期の我が家に、椿の赤は、ささやかな朗らかさを添えてくれそうだ。

考えだすと、きりがないけれど、家族にしてあげられることは、わりとシンプルなことなのかもしれない。今日も、玄関をまあるく掃いて、薪ストーブに火をつけ、お風呂を湧かす。今夜は鍋いっぱいの豚汁。そして「おかえり」だけは、忘れずに。

建築設計事務所 独楽蔵(こまぐら)では、新築のペットと暮らす木造住宅はもちろん、庭づくりや古民家や中古住宅のリフォーム、リノベーション、現況調査や耐震補強などのご相談もお受けしています。今、お住まいの住宅で、気になっている部分、ご不明な点や疑問点などあれば、電話やメールなどでお気軽にご相談下さい。

建築設計事務所 独楽蔵(こまぐら) 担当:長崎まで
04-2964-1296 komagura@komagura.jp

この住宅の完成時の様子はこちら↓
WORKS:【川を感じる有機的な暮らし】 建築士の自邸・高麗川沿いの新築木造一戸建て(埼玉県日高市)

【暮らしnote No.01】生活者(主婦)目線の薪ストーブのある暮らし
【暮らしnote No.02】生活者(主婦)目線の田舎暮らし
【暮らしnote No.03】 生活者(主婦)目線の飼い犬との散歩 埼玉
【暮らしnote No.05】 犬(ペット)目線の暮らし:朝の風景
【暮らしnote No.06】 玄関を季節の花で彩る
【暮らしnote No.07】 暮らしと行事(節分)
【暮らしnote No.08】 無垢材の床のザラザラ問題
【暮らしnote No.09】 薪棚で冬眠していたヤモリ
【暮らしnote No.10】 「牧野植物園」のギンリョウソウ

独楽蔵 建築設計事務所 ホームページ TOP
コラム TOP