【入間市の家づくり】古い幅広の板戸をリペアして再利用
2020/9/5
幅広の一枚板を見て、昔の職人の技術の高さや材木の歴史を想う
入間市の新築住宅の現場です。もうすぐ大工さんの工事が終わります。大工さんの作った室内ドアや引き戸の木枠がすでに出来上がっているので、採寸に建具屋さんがやってきました。建具(木製扉や引き戸など)は、基本的に現場の木枠の寸法に合わせて製作しますので、デザインやおさまりの打ち合わせも兼ねています。
今回は、以前の住宅(解体)で使用していた『板戸』をリペアして再利用します。和室に使用していた幅1150mm、高さ1760mmの大きな板戸が4枚残っています。仮置きで仕舞っておいた蔵から取り出して、改めて見てみます。驚くことにこの板戸、1枚板なんです。以前の家で、すでに50~60年は使用されている引き戸なのですが、若干の割れがあるだけで、反りも狂いもありません。他の建物で使われていたモノが、以前の家で転用されたのか、この家のために作ったモノなのかは、定かではありませんが、少なくとも半世紀前のモノだというのは確かなようです。
一見、大きくて重そうに見える板戸ですが、持ち上げてみると思いのほか軽いのにもびっくりします。割れた部分で板の厚みを測ってみると約8mm程度の薄さでした。こんなに大きな木の塊を厚み8mmで挽いて、単板(たんぱん:薄い板)にする職人さんや工具の技術にも驚きます。また、挽いてから狂いが出ないほど、材木の乾燥がしっかりしていたのだと考えると、どのくらい長い年月の間、材料を寝かせてあったのかなぁと想像がつきません。そして、木として生きていた長い年月を考えると途方もないですね。
寸法的には、幅は申し分ないのですが、高さが昔の寸法でちょっと低いので、少し上下に框を付け足して、高さを確保する予定です。
同一敷地の蔵から、仮置きした『板戸』を運び出す
思いのほか、軽い板戸
建具の見付け(厚み)の薄さにビックリします