『Simple is best』は難しい。縦樋&横樋の収まり(坂戸市の蔵リノベーション)
2020/12/13
リノベーションした蔵の外観
「シンプルなデザイン」というと、一見、単純で簡単そうに思えますが、逃げ場のない施工の精度を要求されたり、表面上はシンプルに見えるように、見えない部分の工夫が必要だったりして、逆にデザインや制作の難易度や、工事金額が上がる場合が多いです。
「単純であることは究極の洗練だ」(ダヴィンチ)とか、「完璧とは、付け加えるべきものがなくなった時ではなく、取り去るべきものがなくなった時のこと」(サン テグジュペリ)など、『Simple is best』は、先人もいろんな角度から語っています。設計図面を作図する際も、描く『線』には必ず意味を込めて、意味のない『線』は描かないようにいつも心がけています。
四角いガルバニウム鋼板製の樋
坂戸市の『蔵のリノベーション』の現場もいよいよ終盤に入ってきました。増築部分の外壁や、軒先を詰めて、並べ直した下屋根の瓦も完成。外部工事の最後は、横樋&縦樋の取付ですが、今回はガルバニウム鋼板製の樋を使用しています。通常、使用する塩ビ製の樋に比べて、ちょっと金額が高いですが、単純なスクエアや半丸などシンプルな形状で、接合部も綺麗な収まりが特徴です。また、素材の耐久性が高いので、塩ビのように、紫外線、経年変化などによる色あせや劣化が少ないのも大きな特徴の一つ。
樋は使う場所に合わせて、ブラック、ガンメタ、シルバーなど色を微妙に変えています。そんな細かなディテールの積み重ねで、全体としての「シンプル」が完成していきます。
建築設計事務所 独楽蔵(こまぐら)では、新築の木造住宅はもちろん、オフィスや古民家、中古住宅のリフォーム、リノベーション、現況調査や耐震補強などのご相談もお受けしています。今、お住まいの住宅で、気になっている部分、ご不明な点や疑問点などあれば、電話やメールなどでお気軽にご相談下さい。
建築設計事務所 独楽蔵(こまぐら) 担当:長崎まで
04-2964-1296 komagura@komagura.jp
独楽蔵 建築設計事務所 ホームページ top
ブログ top
関連記事
世田谷区八幡山の築35年の住宅リノベーション 現場の様子
【栃木市の築180年の店蔵改修計画】リノベーションのための解体作業2
【栃木市の築180年の店蔵改修計画】リノベーションのための解体作業2