ペレット燃料の特徴とその現状について
① 体積は木材チップの1/2、容積当たりの発熱量は3倍
→ 優れています!
② 同じ発熱量で、灯油とのコストの比較 灯油1ℓ:ペレット2kg=約78円:約100円
→ 薪と比べると割安ですが、灯油、ガスなどと比べるとあと一歩。
③ 全世界の年間生産量は、2800万トン(2015年データ)に対して、日本は年間12万トン。
需要も右肩上がりの世界に対して、頭打ちの日本。生産能力はありますが、工場自体が小規模で季節生産のため、単価が下がらない。
→ペレットボイラー、ペレットストーブの認知、導入の増加が進まず、需要が増えていない。
④ 生産が増えない上に安い海外ペレットの輸入が増加している。
ペレット燃料の使用量を増やすためには
上記の問題を根本的に解決するには「大きな工場での大量生産して、ペレットの単価を下げること」と「ペレットストーブ、産業・家庭用のボイラーの普及による需要の増加」の両方が必要ですが、現状ではなかなか難しいところです。現状でペレットの使用量を増やすためには、ペレットストーブやボイラー以外の使用の仕方を提案をすべきだと思います。
木質ペレットの需要を増やすための提案
提案① 薪ストーブでペレットを燃やす
ペレットの家庭での使用は主にストーブだと思われますが、ペレット国内生産量の約5%ほどしかありません。国内ペレットストーブの台数:約1万台(正確なデータはありません)に対し、薪ストーブは、約14.5万台(薪ストーブ協会の20年間販売台数ですので全体の数字ではありません)台数が15倍ですので、薪と併用で使用することができれば、かなりの使用量になるはずです。
薪を無料で集めている人にはお勧めはできませんが、購入されている方には、金額的には薪より安いので、メリットがあると思います。ただ、ペレットは、乾燥圧縮の加工がされているので、自然吸排気の完全燃焼には少し難があります。燃やし方には、コツや補助器具(ペレットバスケットなど)が必要な場合がありますので、それは次回に・・・。
提案② ロケットストーブでペレットを燃やす
ロケットストーブのドラフトでは、十分に燃焼可能だと思います。室内の暖房用では使用出来ませんが、「キャンプ、バーベキューなどのレジャー用」と「災害の給湯・暖房用の備蓄」が考えられます。
提案③ 猫砂など全く異なる分野への応用
少しずつでも、ペレットの認知や使用量が増加すれば、現在の状況は段々改善されていくような気がします。
次回は、実際に薪ストーブで、ペレットを燃やしてみたいと思います。
建築設計事務所 独楽蔵(こまぐら)では、新築の木造住宅はもちろん、古民家や中古住宅のリフォーム、リノベーション、現況調査や耐震補強などのご相談もお受けしています。今、お住まいの住宅で、気になっている部分、ご不明な点や疑問点などあれば、電話やメールなどでお気軽にご相談下さい。
建築設計事務所 独楽蔵(こまぐら) 担当:長崎まで
04-2964-1296 komagura@komagura.jp
関連コラム
第1回:薪ストーブの煙突は何のためにあるか? (ペレットストーブとの大きな違い)
第2回:優れているのに、なぜか認知度の低い「木質ペレット」について・・・
第3回:【木質ペレットから見えてくるお国柄】 有機的な『家づくり』
第5回:【ペレットを薪ストーブで燃やしてみる】有機的な『家づくり』
【ペレット番外編:ロケットストーブについて】携帯ロケットストーブ[ペレコ]
価格:382,800円 |
価格:767,800円 |