埼玉県入間市の歴史的建造物をリノベーションした公共施設

【入間市文化創造アトリエ AMIGO 1 管理棟】歴史的建造物のリノベーション

[入間市文化創造アトリエ AMIGO]は、閉鎖された繊維工業試験場の建物群を、市民が利用するコミュニティ空間にリノベーションした施設です。敷地に元々あった管理棟、工場棟、研究棟、宿直室、倉庫などの建築群は、 それぞれの建物の特徴や、たくさんの人々が集まれる空間づくりのために一部、解体を含む再生を行いました。平成13年のオープン以来、自由で創造的な文化活動や、文化的なまちづくりの原動力を担う市民の活動の場として活動されています。

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繊維工業試験場の事務所棟をコミュニティ施設の管理棟に改修

西武池袋線 仏子駅(入間市)から、北に徒歩5分。T字路のの突き当たりに、水平方向に長い茶色い瓦屋根の平屋の建物が現れます。この建物がAMIGOのエントランスとなる施設の管理棟です。元々と繊維工業試験場として使用されていた時も、事務所棟として使用されていました。この建物の背後に、リノベーションした建築群が拡がります。

長い庇の架かった車寄せ部分が、メインのエントランスポーチ。正面の木製ガラス戸を開けて施設に入っていきます。

屋根、小屋組、床組みは再利用する

木造平屋の「管理棟」は、床が木で組んであり、床下の存在する建物。計画の際に構造の調査のため、床下や屋根裏に潜ってチェックもしましたが、大きな部材の頑丈なつくりで、基本的には、屋根や小屋組、床の下地を活用しながら、なおしていく方向になりました。

コミュニティスペースにするためのバリアフリー化

元々の構造では、床にかなりの段差が存在しました。これから、不特定多数の方々が利用するコミュニティスペースにするためには、バリアフリー化して段差を解消する必要がありました。

既存の建物の雰囲気を残しながら、耐震強化とバリアフリー化。出入り口や通路部分の床を切り下げて、スロープを配置し、飾り張りしたタイルのデザインで滑り止めの効果も狙っています。

以前の雰囲気を残しながらの改造

元々あった木製の建具はなるべく活用するように心がけ、リペアや調整をしながら、昔からの雰囲気を残しています。

メインのエントランスは文化施設の顔となる部分。通路の両脇には、無垢材で造り付けのベンチをデザインして、ちょっとしたたまり場スペースを作成。ホールの一角の物影には、造り付けのミニキッチンと木製窓を利用したガラスの飾り棚で、管理棟の利用を想定した小さなイベントにも対応しています。