埼玉県入間市の歴史的建造物の再生と活用事例

入間市文化創造アトリエ AMIGO 2 スタジオ・AMIGO 3 テラス

埼玉県入間市の[文化創造アトリエ AMIGO]は、役目を終えた繊維工業試験場を市民が利用するコミュニティ空間にリノベーションした施設。敷地に元々あった管理棟、工場棟、研究棟、宿直室、倉庫などの建築群を、たくさんの人々が集まれる空間づくりのために一部、解体を含む再生を行いました。平成13年のオープン以来、自由で創造的な文化活動や、文化的なまちづくりの原動力を担う市民の活動の場として活動されています。

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防音性能のあるスタジオは新築で

施設内で唯一の新築の建物です。市民の活動において、太鼓をたたいたり、ピアノを練習、演奏する際など、隣地の住宅に対して騒音対策も問題がありました。市の担当者と打合せを進めた結果、やはり防音設備の整った空間が必要性があるという結論に達しましたので、簡易的な防音機能のあるスタジオを新築しました。

モルタルの上に、古材をランダムに張ったエントランスとスタジオの入り口の防音ドア

防音性を考慮して、スタジオは窓のない多角形の空間にしました。窓のないスタジオにトップライトから光が降り注ぎます。

施設の歴史を残す古材を活用

敷地内で解体した建物の柱や梁を利用した造り付けのベンチが、繊維工業試験場だった当時の歴史の記憶を残します。新築のスタジオを利用した計画した多目的トイレの内装にも、古材の板張りを使いました。古い塗料の質感が新鮮です。

建物を繋ぐ渡り廊下は原型のまま

管理棟やギャラリー、ホール、スタジオにサロンなど、敷地に分散した建物を繋ぐ渡り廊下は以前のまま。繊維工業試験場だった当時の風景が残ります。

当時の機械類や古材のベンチ、敷地にあった玉石を並べて、外部空間のオブジェに。

軒下とアウトドア空間

倉庫だった木造平屋の建物には、下屋根を増築して大きな軒下空間をつくりました。コンクリート土間の所々に丸く穴を開けた円形の植樹スペースと一体的に利用できるアウトドア空間です。