【暮らしnote No.01】
writing:maiko izumi
埼玉県入間市にアトリエを構える建築設計事務所 独楽蔵 KOMAGURAが設計した新築木造住宅に住む生活者(maiko izumi)から見える日々の暮らし
【リビングの一角にある薪ストーブ】
薪ストーブのある暮らしも、気づけばもう十数年になる。最初は、下の子どもがまだ0歳で、慣れない子育てをしながらの火の番は、思いの外、苦戦した。着火に、やたら時間がかかって、焚き付け用の木端(こっぱ)を無駄遣いした。マッチ売りの少女のように、点けても点けても消えていく小さな火を、途方に暮れて見ていた日もあった。
【薪ストーブの天板に水盤を置いて部屋の加湿】
いま薪を足さないと、せっかく点いた薪ストーブの火が消えてしまう、という時にかぎって、子どもの寝かしつけがうまくいかない。まどろむ子どもの、小さな頭の下から、自分の手をそっと抜く。焦ると、たいてい失敗し、寝かしつけの儀式は、また振り出しに戻る。あと少しで、眠りの森に届けることができたはずの子が、ぱっちりと目を開けると、なんとも言えない敗北感に苛まれた。ああ、何もかもうまくいかないと、泣きたい夜もあった。
【薪ストーブのまわりは洗濯物の乾燥スペース】
子育ても薪ストーブも、一筋縄ではいかないけれど、それでもいつのまにか、なにものにも代え難い、日々の営みになっている。子どもはすっかり大きくなり、母親なんかいなくても、ずっと昔から、一人で眠れていたような顔をして生きている。
でも、私が手が離せない時には、器用に薪を足してくれる、逞しさと優しさを持っている。もうそれで、十分なのかもしれない。面倒くさいけれど、手間ひまかけて、付き合えば、ゆっくりと、じんわりと。深いところまで、あたたまる。
writing:maiko izumi
【薪ストーブの前は、わんこの特等席】
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この住宅の完成時の様子はこちら↓
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