川越市の木造注文住宅、設計デザインは建築設計事務所/独楽蔵

【土間玄関とリビングが心地良く繋がる家】細長い敷地を活かした新築木造住宅

JR川越駅から線路と並行に南に向かって徒歩6分。そこから脇の道に入ると、静かな住宅街が現れます。元々、長い短冊状の敷地が3区画並んでおり、すでに2軒の木造住宅を設計していました。今回は最後の敷地の計画です。3棟の住宅は、それぞれは個別の建物ですが、緑やデッキテラス、空き地などの環境は緩やかに共有し、ひとつの風景としても美しく見えることを意識していきました。

施主は、育ち盛りのお子さまがいる4人家族。子どもの成長と共に変化するライフスタイルを包み込むような、アクティブで開放的な住まいが誕生しました。敷地は南側が道路で、奥行きが長い短冊状の土地です。リビングの幅を確保したいところですが、南側にはアプローチのための玄関も必要になります。そこでリビングをより広い空間に感じさせるために、玄関土間とリビングを一体化。造り付けの下足箱はもちろん、自転車(ロードバイク)を収納できる、広々とした土間玄関が、これからの楽しい日々を予感させます。

“細長い家”は空間を上手に使って美しく〜限られた敷地の間口を有効に〜

敷地は南側道路で、道路に対して奥行きが長い短冊状の土地です。東西の両側に隣地の建物が狭っているために、開放感のある有機的な空地は南側のみになります。計画するのは一戸建ての木造住宅ですが、感覚的にはテラスハウスに近い形態ともいえます。

細長い敷地を上手に使う〜リビングと一体化した玄関土間のガラススクリーン〜

計画される新築住宅の南側に配置されるのは、リビングと玄関です。玄関は最低限の幅に計画して、なるべくリビングの幅を取りたいところです。そして、リビングを開放感のある広い空間に感じさせるために、玄関とリビングの間にある壁一面をガラスのスクリーンの間仕切りにしました。

ほとんどはFIXのガラスですが、玄関とリビングの間は、ガラスの一本引戸で開閉します。すごしやすい季節は、引き戸を開放することで、より開放感を楽しんで。玄関からリビングを見せたくない時は、ロールスクリーンでクローズにすることができます。

細長い敷地を上手に使う〜廊下をなくした町屋式の細長い土間玄関〜

限られた空間を有効に使うためになくしたのは、玄関とリビングの間にある「廊下」です。玄関は京都の町屋のように家の奥まで伸びる細長い土間空間。さらに奥のガラス引戸を開けると、キッチンに続く上がり框(かまち)が現れます。リビングを経由せずに、直接キッチンにアクセスできる動線は、時短家事にも一役買います。

収納&インテリアを叶える土間玄関〜壁一面の収納棚&ロードバイクのハンガー〜

お話を伺うなかで、ご主人と息子さんのロードバイク2台分を、室内に収納したいというご希望がありました。バイクの出し入れのためには玄関に置くのが便利です。細長く建物の奥に伸びる玄関土間は、ロードバイクの収納に最適でした。

玄関突き当たりにあるキッチンへの動線を邪魔しないように、バイクは上下2段に吊ってしまいます。右側の壁面はすべて収納スペースなので、残されたスペースは、ガラスのスクリーンの部分。「ロードバイクハンガー」取り付けのために、FIXのガラスの部分に木製の細い方立(ほうだて)をつけました。リビングや玄関土間から、こだわりのロードバイクを眺めることができる「見せる収納」です。ゆとりのある土間で、ロードバイクのメンテナンスをすることもできます。

土間には無垢のケヤキの小さな上がり框

この家には玄関とリビングの間の廊下がありませんので、上がり框もリビングにあがるのを補助するためのモノです。ガラス引戸の大きさに合わせた円弧の形状で小さめの上がり框です。材質はケヤキの一枚板(無垢材)。軽快で浮いた印象に見えるように、スチールの1本脚で固定しています。施工業者さんの倉庫に眠っていたケヤキの板を加工して使ってもらいました。

人がよく触れる場所には、本物の素材を〜キッチンカウンターは、タモ材の縦羽目板〜

キッチンのカウンターがあるスペースは、ダイニングテーブルが配置されて、日常的に使用頻度の高い動的なエリアです。人が実際に触れたり、見たりする頻度も高いので、壁も汚れたり、傷がついたり劣化も早い部分になります。ですから傷や汚れも、すべて経年変化として美しく感じられるように、本物の素材を選ぶのが理想です。

光も風も通り抜けるリビング〜住宅の南から北までのびたワンルームで、北側からの採光・通風も確保〜

【同じフローリングでも塗装で全然違います!】 クリアコート塗装仕上げと自然オイル塗装仕上げの違い 続きはコチラ→

キッチンは側面の開口部&ガラスのショーケースから採光を確保

採光の届きにくいキッチンは、サイドの開口部から光と風を取り入れます。窓は採光を兼ねたガラスショーケースを作っています

キッチンから直接、玄関土間に抜けることのできる室内勝手口

光と風を取り入れながらプライバシーを守る〜細長い敷地の空間デザイン〜

今回の計画地は、南側接道で、間口の限られた奥行きの深い敷地。住宅で南側に必ず確保したいのは、リビングとそのリビングの採光と通風のための大きな開口部です。南側が接道の場合には、そこに家にアクセスするための玄関が必ず発生しますので、さらにリビングの間口が限定されることになります。加えて、南側道路を通行する不特定多数の人々からの視線もありますから、その部分も考慮しなければなりません。

リビングの大開口を南の前面道路に対して、南東方向に45°振ることによって、光の関係で道路から直接見えにくくしています。また、リビングの開口部を対角方向に振ることによって、壁面の長さが、1.4倍になりますので、その分、開口部も大きく確保することができました。

デッキテラスを取り囲むように、約300mm程度高さを上げて、植樹スペースを配置。物置小屋も含めて、道路からの視線を適度に遮ります。

【玄関土間と外部のアプローチは、同じタイル】の記事はコチラ→

洗面台とトイレのモザイクタイル

2階の子供部屋と主寝室

【black & white】 クロス(壁紙)の張り分け 記事の続きはコチラ→

イラスト計画案はコチラ→
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