川越市の子育て世代、木造新築住宅の家づくり

【新築住宅:人とクルマを分離する】設計事務所の木造家づくり(川越市)

川越市の郊外。敷地の北側を流れる用水路を境に市街化区域と市街化調整区域の見えないラインが引かれています。その用水路から南側は細い道路沿いに細かく建ち並ぶ住宅地、北側は、広大な田畑が広がる対照的な風景です。敷地の東側に南北に走る道路は、一種の抜け道にもなっていて、予想以上に交通量が多い道です。さらに道路の向かい側は、ちょうど一方通行のT字路の突き当たりに位置して、その路地からも、一定の割合で車が出てくるような立地です。その敷地に新しく新築で、若いご家族のための住宅を計画することになりました。ご夫婦と小さなお子さん2人の4人家族の住宅です。

① この住宅の配置計画の課題は、まず「クルマとヒトの分離」から

まず、計画の初めの問題は、いかにして車と人間の暮らしを分離するかということです。車の問題には、道路通過する車と自家用車の駐車スペース、2つの問題がありますこの住宅は、敷地が一方通行のT字路の突き当たりに位置しています。ちょうど車が路地から出てくる方向と重なりますし、意外と交通量も多いので、道路面(東面)の外壁は、小ぶりな突き出し窓をいつもより少し高い位置に配置しました。車の騒音や夜のヘッドライドを考慮した結果です。住宅の道路面(東面)の外壁は、いわば堅牢な防壁です。

建物の位置も道路からセットバックして、その部分に住み手の駐車スペース(2台分)を配置して、車自体も道路との緩衝帯をなるように、また、通行している車や自家用の車も、家の居住スペースから排除して、庭を落ち着いたプライベートな空間に。リビングの大きな開口部も南西に向かって配置して、道路に背を向けました。玄関ポーチ一体のデッキテラスを隣地との間に帯状に配置したグリーンスペースによって、プライバシーを高い庭や外部空間を確保することができました。

植樹は、道路側からエゴの木、アオダモ、イロハモミジの3本。完成当時は、芽吹きの遅いアオダモは葉がやっと開いたところ。アプローチはデッキを回り込むように・・・。

北側外観は、防備とメンテナンスを重視して・・・

② 敷地の南側も隣地の導入路から緩衝地帯としてのグリーンベルトを設ける

敷地の南側は、隣の住宅のための導入路兼駐車スペースになって、第三者が通行したり、直接、敷地の中を見ることができる状態になっています。

通常であれば、塀などを建てて、プライバシーを確保することも考えられますが、外部スペースが狭く感じられたり、日当たりにも影響しますので、境界沿いに、奥行き約1mの緑樹帯を設置しました。木々がもう少し大きくなってくれば、視線を遮ることもできますし、木々はリビングやデッキテラスに木陰を提供してくれます。

玄関ポーチも南側のデッキテラス兼用で、外部空間の広がりを演出しています。リビングの開口部は方位と他人の視線を考えて配置して、室内が覗かれにくいような平面形を考えました。

③ 『入り江』と『岬』絡み合う『OUTSIDE』&『INSIDE』

家族が長い時間を過ごすリビングスペース。その大きな開口部は、南西のデッキテラスとその先のグリーンスペースに向かって開いています。開口部が南西に向いている理由は、敷地の東側にある交通量の多い道路と車から、生活のスペースを分離するためです。

さらに『岬』ように南東に張り出したリビングは、逆に『入り江』のようにリビングに入り込んだデッキテラスを隠す防壁の役目も果たしています。『OUTSIDE』&『INSIDE』は緩やかに重なり合って、デッキスペースは、心理的にもリビングの延長として融合しあっています。

敷地の南側に入り込むと、デッキテラスもリビングもかなりオープンですが、帯状のグリーンスペースの外(南側)は、気心の知れた隣人家族が通るだけの通路なので、プライバシーも確保されています。

リビングのフローリングは、オーク材(無垢材)のオイル仕上げで、デッキテラスのデッキ材は、木質と樹脂を合わせたハイブリットのデッキ材を使用しています。

道路側(東側)の突き出し窓は、取り付け位置を少し高くして、ガラスは型ガラス(くもりガラス)にして、プライバシーを考慮しています。

④ キッチンはリビングのひそみ部分に配置